マルハニチロ マーケットイン徹底の秋季新商品 本格&簡便・減塩・魚食需要
マルハニチロは、2024年秋季新商品で、家庭の本格&簡便ニーズを満足させる「赤坂璃宮の五目シュウマイ」、健康志向を踏まえた「北海道のいわし 食塩不使用」、業務用は魚食離れを防ぐ「お魚ハンバーグ」、調理の手間を省くノンプリフライ製法の「野菜天ぷら」など、マーケットインを徹底したラインアップを展開する。
11日に本社で開いた発表会で、半澤貞彦代表取締役副社長執行役員は「お客様の立場に立って、多様なニーズに応える商品を開発提案する」と語った。 家庭用商品について小梶聡常務執行役員は「共働きや単身など利便性重視の世帯が増え、簡便性へのニーズと健康意識が高まっている。健康価値と独自性を意識した商品を開発した」と話す。 うち冷凍食品の一押しは、新中華街シリーズの「赤坂璃宮の五目シュウマイ」。水くわいとたけのこで楽しい食感を生み出し、春雨で見た目の具材感と肉のほぐれ感を高めた。一部地域で先行していた「同 餃子」も全国販売し、ひと味違った餃子への需要に応える。
グロッサリーでは「北海道のいわし 食塩不使用」を商品化。谷和憲開発部長は「さば水煮缶市場で食塩不使用品の構成比率が伸長し、健康需要が高まっている」と説明した。 こだわり魚種シリーズの新商品「沖縄産いかを使ったお魚ソーセージ」は、水揚量が大幅に減少するイカの中でも資源の安定した沖縄産ソデイカに着目。通常は廃棄されるイカのミミを独自に加工し、食感と風味を楽しめる素材として活用している。 堅調な常温カップゼリー市場には「フルティシエちょっと贅沢 ちょっと濃い青森りんご」を投入。シャリッとした果肉感と口どけの良さ、ちょっと濃い味わいにこだわった。 業務用では、安田大助常務執行役員が人手不足深刻化に加え魚価高騰の影響を指摘。「切り身よりも安価なタンパク質として鶏肉が選ばれる場面が増えている。魚食離れを防ぐため、安価で利便性に優れ、魚食としての満足感も得られる商品を開発した」と解説する。 拡大基調のメディカル給食向けに「お魚ハンバーグ」2種類を用意。すり身工程を経ずにミンチ肉を配合し、魚らしい食べごたえを実現した。 人手不足対応には、ノンプリフライ製法の「野菜天ぷら」を2品追加。衣のサクサク感など手揚げ品質を落とさずに、専門性の高い揚げ調理の回数を削減した。 今期業績の進捗は、家庭用・業務用とも計画超え。半澤副社長は「22、23年度は売上高1兆円を達成した。今年度は1兆500億円を目標に全力で取り組む」。新商品の年間販売計画は、加工食品ユニット13品47億円、食材流通ユニット6品5億円。