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香港の文化・芸術関係者が「国家安全法」に反対。「自己検閲の風潮をつくりだす」

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美術手帖

 中国政府が香港の「国家安全法」を制定する方針を打ちだしたことに対し、1500人以上の香港の文化・芸術関係者がそれに反対する共同声明を発表した。  この安全法は、北京で開催された全国人民代表大会で香港立法府の頭越しに可決されたもの。成立すれば、香港では「国家反逆、国家分裂、動乱煽動、中央政府転覆、国家機密窃取」などの行為が禁止される。  この法案について、文化・芸術関係者らは次のような懸念を表明している。  言論の自由や芸術的表現の余地がどれだけ残っているのか、私たちは真剣に疑問を抱いている。「天安門事件」に関する演劇は、国家権力の転覆とみなされるのか? 国際芸術祭に参加する、あるいは芸術交流のために外国の芸術家を香港に招待することは、外国や外国勢力の介入を誘発することになるのか? 「反引渡し」デモの歌詞はテロ活動を煽動することととらえられるのか? 女性キャラクターの衣装を 「台湾風」 と表現した映画の台詞は、国民感情を傷つけ、ひとつの中国原則を破り、国を分裂させると非難されるのか? 芸術教育プログラムは、「国家安全」の要素が含まれている場合にのみ資金が提供されるのか? 法律が破られた場合、誰がその法律を執行するのか? 国家安全保障を監督する中央政府当局によって設立された組織によって、犯罪者は逮捕され、裁判と判決のために本土に送られるのか? 私たちは、ダモクレスの剣が頭にぶら下がっているような言論犯罪が、「既存の政権を美化しない」という自由を奪ってしまうのではないかと非常に懸念している。  香港基本法第27条によると、香港住民は言論、出版、出版の自由を有する。しかし近年では、香港で中国政府に批判的な本を扱う書店の関係者が失踪し、中国当局によって拘束されるケースが相次いで発生している。  提案されている国家安全法は、芸術家や文化人を禁止事項違反の危険にさらし、芸術表現、言論の自由、文化交流、さらには個人の安全さえも害する恐れと自己検閲の風潮をつくりだすだろう。その結果、文化都市としての香港のイメージと経済へのダメージは計り知れない。

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