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小林圭──こんなことでは負けられません【GQ JAPAN連載特集:希望へ、伝言】

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GQ JAPAN

──どうしても家庭内で過ごす時間が増えたのではないかと思います。この期間に読んだ本、観た映画、聴いた音楽などがあれば教えて下さい。またそのなかで感銘を受けたものがあれば、ぜひご紹介いただきたく存じます。

料理に関する本は、食材事典、科学の本、発酵の本、ソース、クラシックの本、シェフの理論、中国料理、日本食の本などを片っ端から読んでいます。本の一冊一冊が、それぞれの代表作ですから、すべてに感銘を受けます。特に中国料理や日本食の技術をみると、「この部分はかけている、それを実践したらうまくいくんじゃないか」と“気づき”のきっかけになります。 コロナ渦の今だからこそ見るべきなのは、トム・ハンクスが無人島に流れ着いてサバイバル生活を生き抜く「キャスト・アウェイ」でしょうか。トム・ハンクスは好きな俳優です。僕の場合は映画をみるというよりも、映画に出ている俳優が何をもって、何を感じて演じているのかに興味があります。 音楽は子供に合わせて、子供が聴きたいものを優先しています。今までは自分の人生と自分の仕事を優先してきたので、今だからできることをしています。息子はジブリの映画が好きだから、ジブリ音楽は、よく耳に入ってきますよね。

──先の見えない日々ですが、それでも前向きに生きるためのメッセージをいただきたく存じます。GQ読者へ、自分へ、家族へ、日本へ、世界へ……メッセージの対象はだれでも構いません。

まずは自分のことだけではなく、外に目を向けてほしいです。この状況で外出すれば自分も病気に罹るリスクがあるし、そこから感染が広まる。その危機感をもってもらいたいです。一人一人の行動によって世界の情勢が悪くなるということを考えながら、自粛するときには自粛する。この心は絶対に持っていた方がいいと思います。自分の家族や知り合いが亡くなってから気づくのでは遅すぎますから。 それから5年後、10年後の課題を持つこと。自分に課題を作って人生設計をする。自分がどうなりたいか明確だったら、この2、3カ月はしょうがないと諦めて、でも10年後に向かって今何ができるかという課題を作って実行に移す。 もちろん僕自身もきついですけど、オーナーなので、店を潰すわけにはいきません。やっぱり料理が好きですから。うちのメンバーを誰一人削らないで、どうやって乗り越えていけるか考えます。こんなことでは負けられません。僕はいつでも本気ですが、いまは考え方を変えながら前に進むしかない。進んでいきます。 PROFILE 小林圭 Restaurant KEI オーナーシェフ 1977年8月29日生まれ。長野県出身。自身がオーナーシェフを務めるパリのレストラン「Restaurant KEI」が、2020年ミシュランガイドフランス版で、日本人シェフとして初めて3ツ星を獲得。 “A MESSAGE OF HOPE”(希望へ、伝言)は、『GQ JAPAN』2020年7/8/9月合併号の特集連動企画です 5月18日スタートのWEB特別企画、“A MESSAGE OF HOPE”は、5月25日発売の『GQ JAPAN』に掲載される特集、「私たちは、どう生きるか」との連動企画です。雑誌『GQ JAPAN』は、新型コロナウイルスの感染拡大がつづくなか、各界の著名人に、この未曾有の危機に際して、ポジティブなメッセージを送ってくださるように依頼しました。結果、ファッション・芸術、音楽・芸能、デザイン・建築、文化・報道などの分野で活躍する内外の161人のかたがたから、この企画へのご参加をいただき、雑誌では、いただいた回答をもとに特集を構成しました。この特集に連動して、161人のかたがたからいただいたメッセージをすべて、割愛することなく紹介するのがこの特別企画、“A MESSAGE OF HOPE”(「希望へ、伝言」)です。毎日、2人からの、メッセージを紹介する予定です。

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