阪神・大山悠輔、FA残留に裏方への思い「『必要だ』と言ってもらえて、うれしかった」「この人たちのためにもう一度頑張りたい」
今季取得した国内FA権を行使していた阪神の大山悠輔内野手(29)が29日、兵庫県西宮市の球団施設で会見し、残留を表明した。 「(理由は)いっぱいあるけどまずは監督、コーチ、スタッフ、裏方の皆さん、チームメートともう一回優勝と日本一を達成したい気持ちが強かった。あとはファンの皆さんにファン感謝デー(23日、甲子園球場)のときにスタンドで本当に多くの僕の赤い(応援)タオルを広げてもらって、すごくうれしかったし、その赤いタオルをもっともっと増やしたいと思った」 獲得に乗り出していた巨人とも交渉。相手の誠意に「感謝しかない」と思いは揺れたが、阪神との5年契約を選んだ。 決断したのは「きょう」。前日は選手会納会でゴルフと宴会に参加し、「選手、裏方さんと会う機会があり、そこでいろいろと話していく中で思うこともあった」と仲間の声に耳を傾けた。 決め手として、らしさが表れたのは「裏方さん」への思いだった。 「やっぱり裏方さん。8年間お世話になった方々にあいさつをしていく中で、いろんな言葉をかけてもらった。僕たち選手は裏方さんあっての選手だと思っている。そういう方々に『必要だ』と言ってもらえて、うれしかった」 球団には打撃投手、トレーナーら多くの裏方がいる。「この人たちのためにもう一度頑張りたいと思うようになった」。人気球団だけに批判されることも多いが、支えてくれる人たちのために残って戦うことにした。 「いい意味でも悪い意味でもすごい球団だなというのはあらためて思った。だからこそ、そこでやれる達成感があったり、幸せなことだと思った。日本シリーズでの地鳴りような歓声はなかなかないこと」 生え抜きの主砲が、セ・リーグの勢力図にも大きな影響を及ぼす決断を下した。
中日スポーツ