侍ジャパン 清水達也が人気漫画の主人公ばりに完璧な火消し「どんな場面でも…最高です」
◇WBSCプレミア12 スーパーラウンド第3戦 日本9―6台湾(2024年11月23日 東京D) 中日・清水の10球が勝利を呼んだ。侍ジャパンは5回に1点差に迫られ、なお無死満塁の大ピンチで2番手で登板。完璧な火消しを見せ「どんな場面でもしっかり行く準備をしていた。最高です。気持ち良すぎました」と大きく胸を張った。 難しい場面で、いきなり2ボール。それでも潘傑楷(ハン・ケツカイ)の痛烈な打球に鋭く反応した。好捕して投ゴロ併殺に抑え「自分と守備も信じて投げ込んだ一球だった。奇跡。運、使っちゃいました」と笑顔。なお2死二、三塁で江坤宇(コウ・コンウ)を得意のフォークで空振り三振に斬り「自信を持って腕を振れた」と笑顔で振り返った。 花咲徳栄(埼玉)時代にフォークの土台を築いた。日常生活でも中身の入ったペットボトルを人さし指と中指で挟んで持ち歩くなど鍛錬。3年時は夏の甲子園で全6試合に救援登板し、計19回2/3で防御率1・37をマークし、埼玉県勢初の優勝に大きく貢献した。 野球漫画の「タッチ」の主人公、上杉達也にちなみ名前は「達也」。プロ初勝利は2年目でプロ初先発した阪神戦だった。満員の甲子園で5回2失点と粘り初白星。今季は60試合で防御率1・40の好成績でトップチーム初選出となった。この日も4万1674人の大観衆の前で快投。注目度の高い一戦ほど、人気漫画の主人公ばりに力を発揮する。 抑えの大勢、セットアッパーの藤平に負けじと、これで4試合連続無失点。窮地を救ってベンチに戻り「なぜかブルペンにいるはずの大勢君がベンチにいた」と目を丸くした。大半の選手が出迎えたほど、チームにとって大きな好投。最高の形でバトンをつないだ。(小野寺 大)