心疾患の発見にも役立つスマートウォッチ、どう健康管理に取り入れる?
多機能でさまざまなシーンで活躍する、便利なスマートウォッチ。実は、健康が気になる世代にも心強い味方に!
無自覚だった心疾患の発見につながることも。
「20代の男性がスマートウォッチで取った心電図の波形を見ていたら、脈が急に160になるというのに気付いたというので外来に来て。160は全力で走ってもならない数値。不整脈のうち、発作性上室性頻拍という病気だったのですが、通常は異常時の心電図がないとなかなか診断にならないんですよ。いつも動悸がしていても、検診の際たまたま正常だとそのまま通ってしまう。なので、常時身に着けているからこその、波形が取れる、脈が測れるということがとても大事なんです」 スマートウォッチの中には、こうした心電図が取れるタイプもあるので、脈の乱れが気になる場合はそれを活用することで、診療から治療へとよりスムーズに運ぶことがあるという。そうした自覚がない場合にも、普段から脈を意識しておくことは大切に。 「脈は生まれたときから動いているので、あまり意識していない人が多いんです。動悸には、脈が速くなる、バラバラになる、抜ける、大きく感じるなどがあります。大きく感じるだけの人はメンタルが原因のことが多く、検査しても不整脈が見つかることは少ない。抜ける、バラバラになる、全力で走ったかのように速く安静時に130を超えることがある、そんな場合には不整脈の可能性があります。一度、医師の診察を受けたほうがよいでしょう」 心拍数は人それぞれで、70~75が平均とはいえ、60~99までは正常範囲内とされる。が、脈の速さが気になるときには呼吸に気を付けると、数値が下がることがある、と滝村さん。
呼吸法や運動習慣を見直すことも大切に。
「息を鼻から3秒で吸って口をすぼめて6秒で吐くと自律神経が整い、脈がゆっくりに。米国心臓リハビリテーションで導入されることもあるヨガの呼吸で、寝る前に10分ほどと推奨されていたのですが、私は患者さんにバスに乗っていたり歩いているときにもやってくださいと伝えていて。それで安静時の脈が85から10程度下がった人も」 自分の状態に気付き、ちょっとした習慣を見直すことで健康状態はよりよく変えることができるのだ。もう一つ、滝村さんがすすめるのが運動の習慣。 「ウォーキングでもよいので、運動をするよう日頃から心がけてください。何もしていないと、心臓も肺も運動耐容量が下がってしまう。そうすると、少し体を動かしただけで脈が速くなったり呼吸がすぐ上がってしまい、心臓に負担がかかることになります」 スマートウォッチなら、一日の歩数はもちろん、モデルによってウォーキングやランニング、ヨガなどさまざまなフィットネスをサポートしてくれる機能があり、運動習慣をつけるのにも役立つ。日頃の体の調子を把握して運動を心がけたい、そんな世代には、スマートウォッチは心強いパートナーに。