沖縄県立高校のクーラー、58校中20校で故障 汗をかくため体育着で登校も 換気の繰り返しで劣化か
沖縄県立高校の一部でクーラーが効かず生徒の勉強に影響が出ている問題で、昨年4月から約1年間で全58校中少なくとも20校の普通教室で故障が発生し、空き教室で授業するなどの対応をしていたことが1日までに沖縄タイムスの取材で分かった。多くの機器は設置から10~20年以上が経過し老朽化が原因と見られるが、新型コロナ対策の換気の繰り返しで経年劣化が早まった可能性もある。取り換える部品や費用が不足し、現在も修理のめどが立っていない学校も2校あった。(社会部・松田駿太、下里潤、東江郁香) 【写真】教室にクーラーがあるのに…暑さで倒れる生徒「勉強に集中できない」 「コロナ前はほとんどなかったのに、昨年は3回、今年は夏本番を前に既に1回壊れました」 具志川高校の担当者は嘆く。同校の普通教室は7年ほど前にクーラーを新調。フル稼働していたが、コロナ対策で窓を換気し始めた頃から不具合が出始めたという。 6クラスを一括して冷やしているため故障の影響は大きく、理科室など空き教室が見つからない場合は冷風機を設置。生徒に我慢をお願いすることもあったという。汗をかくことが懸念されるため、修理までの約2週間、生徒は体育着で登校した。担当者は「また壊れると思うと怖い。今はクーラーに負荷をかけないよう、事務員は操作パネルとにらめっこしている」と話す。 世界的な半導体不足で部品が調達できず、修理期間が長期化している学校もある。八重山農林高校は4月ごろから故障が相次ぎ、現在は7教室が冷えにくい状況だ。業者に問い合わせたが部品が届かないといい、修理は最短で8月上旬だという。 担当者は「このご時世なので仕方がないとは思うが、生徒が勉強に集中できるためにも一日でも早く直してほしい」と祈るように話した。同校は今後、カーテンを設置するなど暑さ対策を取る予定だ。