【全文訳】次期副大統領カマラ・ハリス、アメリカ大統領選2020勝利スピーチ
わかりやすく的確に、一度も視線を外すことなく見事にヴィジョンを語り切った、アメリカ史上初となる未来の女性副大統領の歴史的“勝利宣言”を日英併記で紹介。
良い未来を築く力を持つのは我々人民なのです
今晩は、そしてありがとうございます。 ジョン・ルイス議員(※1)が他界する前、こう書いていました。「民主主義とは状態(※2 state)のことではなく、行為である」と。彼が伝えたかったこととはアメリカにおける民主主義は保証されているものではないということです。我々が民主主義への戦いに対して向ける熱意と同等の強さでのみ存在するものなのです。アメリカの民主主義は当たり前のことと、けっして決めつけることなく、困難に遭っている時には戦い、守るべき存在なのです。それには犠牲が伴います。でもその戦い、その犠牲のうちには大きな喜びと前進があるのです。なぜならより良い未来を築く力を持つのは我々人民なのですから。そして女性たち、私達の民主主義、アメリカの魂の行方はこの選挙での投票にかかっていたのです。 そして今、全世界が、あなたたちが導いたアメリカの新しい日をみつめています。 【注】 ※1 公民権活動の重要人物だった下院議員。2020年7月に癌のため亡くなった ※2 この言葉がもつ「国家、州」の部分が後述される“a nation“に繋がっているとみられる(追加・訂正 2020.11.08.11:00am)
みなさんが我々の民主主義の高潔さを守ってくださった
これまでなかったほど多くの人々をこの民主主義のプロセスに導いてくれた私達の選挙活動のスタッフ、ボランティアの皆さん、この素晴らしいチームに感謝します。この勝利を確実なものにするために、全ての票が集計されるべく働いてくださった選挙管理委員会と集計にあたってくださった皆さんに感謝します。我々国民はあなたがたにいくら感謝しても足りません。みなさんが我々の民主主義の高潔さを守ってくださったのです。
皆さんは希望、融和、品位、科学、そして真実を選んだのです
そしてこの美しい国を形作るアメリカ人の皆様。記録を上回る量の皆さんの声が聞こえるような結果を出してくださったことに感謝します。そして特に過去数カ月間は確かに困難と思える時が多かったと私も思います。愛する人を失った苦しさ、悲しみ、そして痛み。悩みと苦しい戦い……。ですが、私達は皆さんの勇気、レジリエンス(回復力)、そして精神の優しさをもまた目撃したのです。 皆さんは公平と正義のために集会を開き、抗議活動を行いました。私達の命のために、そしてこの惑星のために。そして投票してくださった。皆さんははっきりとしたメッセージを発したのです。皆さんは希望、融和、品位、科学、そして真実を選んだのです。 皆さんはジョー・バイデンをアメリカ合衆国の次期大統領に選びました。