小型バスの新しい概念を作った「日野ポンチョ」!! 今や全国どこにでもいる説ってホント!?
路線バスで使われる車両には、車体のサイズごとにジャンルがあり、大まかには大型・中型・小型に分けられる。 【画像ギャラリー】あそこにも、ココにも、ポンチョがいっぱい!!(17枚) 文・写真:中山修一 (日本全国津々浦々で絶賛活躍中!!日野ポンチョの写真つき記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■奥深き小型バスの世界
大型・中型・小型バスのうち、「小型バス」に含まれるものに注目してみると、国土交通省が示している区分では、車体の長さ7m程度、定員が最大38名くらいまでのサイズのバス車両が小型バスの枠組みに入る。 それよりサイズが小さい車両も小型バスの一種になり、そこにはマイクロバスやワゴン車も含まれるが、種類が多くなりすぎてしまい、ちょっと煩雑。 そこで、もっぱらバスを趣味で楽しむ際は纏まりをよくするために、国が定める基準に関係なく、もう少しサイズを細分化させることがある。 小型バスには、マイクロバスよりも大きく、中型バスよりも小さいクラスの車両があり、それに該当する車両のみを「小型バス」と呼んで、ワゴン車やマイクロバスと差別化を図るわけだ。
■バリアフリー時代の小型バス
マイクロ以上中型未満の小型バスは、どちらかといえば車体デザインや内装を中型・大型路線車に寄せてあり、よりバス車両然とした容姿の車種がほとんどだ。 その中で、2000年代に入って以降最も急速に普及した車種といえば、日野自動車が手がけた「ポンチョ」だ。 現在の日野ポンチョは2代目にあたり、初代は欧州メーカーのシャーシとエンジンを使用した半分外車と言えるもので、車体寸法がより小さくボンネットの付いた、デリバリーバンのようなスタイルをしていた。 2006年に発売した2代目からは箱型ボディを載せ、ひと目で路線バスに使うクルマだな、と分かる姿に変わった。 とはいえ、全体的に丸みを帯びたスタイルに丸目2灯のヘッドライトを組み合わせた、愛嬌のある顔つきは、それまでのバス車両にはない斬新なデザインであった。 全長6.3mと7mの2種類があり、定員は前者が29名で後者は33~36名。7m車のほうは1ドアもしくは2ドアから選べる。 5,000ccクラス180馬力のディーゼルエンジンを搭載し、5速オートマ。幅は2.08mで、マイクロバスに比べて7cmほど広く、中型路線車より22cmほど狭い。 幅の狭さに対して背丈は3.1mと結構高く、これは中型や大型路線車とあまり変わらない。ホイールベースに至っては7m車は約4.8mあり、実は中型路線車の4.4mよりも長い。 バリアフリー時代に登場した車ということで、乗降のしやすさを考慮し、ノンステップかつ床面をフルフラットにした結果、凄く長いホイールベースという副産物的な特徴が生まれたと言えそうだ。