【陸上】マラソン界のホープ吉田祐也インタビュー「準備と努力で少しでも可能性を広げる」
1年前の別府大分毎日マラソンで、当時・青学大4年だった吉田祐也(現・GMOインターネットグループ)が、初マラソン日本歴代2位となる2時間8分30秒で日本人トップの3位に入った。競技引退を決め手いたものの、この結果もあり翻意。内定が決まっていた大手菓子メーカー「ブルボン」側も快く承諾してくれたことで、競技継続が決まった。 【写真】吉田が福岡国際V!日本歴代9位タイの快走 吉田にとって“転機”となった別府大分毎日マラソンは、今年は残念ながらコロナ禍により延期となった。それを受け、特別番組の放送が決定し、ゲストとして吉田、青学大・原晋監督、そして「引退撤回」を進言した一人である瀬古利彦・日本陸連マラソンリーダーが収録に参加。収録後、吉田にインタビューし、改めて福岡国際マラソンまでの取り組みなどを聞いた。
スピードを磨きながらマラソン練習
――別府大分毎日マラソンから1年が経ちました。その時は競技を辞める予定だったのですよね。 吉田 フィニッシュした段階でも白紙の状態で、競技を続けることはまったく考えていませんでした。 ――レース後の会見場で、瀬古利彦氏に引退撤回しないか、と声をかけられています。 吉田 マラソンの強化担当のリーダーですから、「続けてくれ」とおっしゃるだろうな、と思いました。ただ、本当にその時点では続けるとは思っていませんでした。 ――その後、一転して競技を続けることになり、12月の福岡国際マラソンでは見事に優勝されました。反響は別府大分の時と比べてどうですか。 吉田 福岡では箱根駅伝や青学大の選手、という“看板”を抜きにして結果を出せました。「本物だったね」という印象があったと思います。何より優勝したということに価値があると思います。 ――2020年シーズンは、5000m13分36秒86、10000m28分19秒07と、いずれも自己ベストを更新。どのような取り組みでしたか。 吉田 日本選手権の参加標準記録を突破するというのがベースだと考えました。結果的に、福岡が開催されて優勝でき、やはりスピードを殺さずにマラソン練習することで高速レースに対応できると感じましたね。 ――今はどういった練習環境で取り組んでいますか。 吉田 地元の東松山市(埼玉)を拠点にしていて、競技場やクロカンコースで行っています。夏くらいまではGMOの他の選手たちと同じ練習メニューに取り組んでいましたが、それ以降はマラソン練習に移行しました。