青春期は寂しい。ブスで貧乏な「ぼっち」は惨めだ・・・でもそれは悪いことでも恥ずかしいことでもない!(藤森かよこ【馬鹿ブス貧乏】⑥)
「誰も本当のことを言わないから、ブスで馬鹿な私が本当のことを言う!」と元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)でアイン・ランド研究の第一人者である作家・藤森かよこ氏がペンで立ち上がった。 氏のものした『『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)は4刷を超え(以下、「馬鹿ブス貧乏」と表記)、多くの女性を勇気づけた「革命の書」である。アラフォー読者からの要請が殺到。今月21日より、第2弾『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』が出版される。 そこで、今回、藤森氏のご厚意に預かり『馬鹿ブス貧乏』の長いまえがきから第1章まで再構成し、「若いほど」役立つと低スペック女子が37歳までにやるべき本当のことを転連載で教えてくれる。まさに「馬鹿ブス貧乏」で生きるしかない女性が最高に幸せになる本当のサバイバル術である! この記事の写真はこちら ■低スペック女子の青春は寂しい 青春期は寂しい。何者でもない自分を直視するのは寂しい。寂しさを忘れていられるほど、あなたは面白いことを見つけることもできない。面白いことに集中できない。そもそもが馬鹿ですから。 その上、あなたはブスで貧乏だ。いかほどに寂しいことか。 現代の日本では平和が続いたおかげで、日本人はボンヤリしていても生きていける。だから感受性が磨かれていない。センサーが機能していない。目に見えないけれども存在する何かへの想像力が養われていない。多くの現代日本人にとっては、目に見えないなら存在しない。 したがって、あなたがブスではあるが心は美しいと自負していても、その美しさは誰にも認識されない。あなたの豊かで美しい内面を想像する義務など他人にはない。 あなたはブスだから、誰もじっと見たくないので、あなたを見ない。あなたは、ブスのままでいると存在しない。それでは寂しいに決まっている。 それから、あなたは貧乏なので、金銭で入手できる気晴らしや享楽そのものが不足しがちだ。それも、あなたが寂しい理由だ。 とはいえ、あなたは、ブスで馬鹿で貧乏であっても、感受性はある。無駄に10本ぐらいアンテナは立っている。だから、この文章も読んでいる。だから傷つきやすい。時には、あなたは、あまりにも独りぼっちだから、病気になりそうな気がする。 ほんとうは、独りぼっちであることは悪いことでもないし回避すべきことでもないのだけれども、あなたは孤独を怖がっている。 この世間は集団行動で満ちている。テレビを見れば、楽しそうな家族やカップルや仲間の映像がCMに映し出される。まるでみんなパーティばかりしているかのように見える。 SNSに投稿される写真も、楽しそうな会食シーンばかりだ。ああいうものを四六時中眺めていると、自分が独りで食事していることが異常で惨めに思える。 しかし、あのようなものはファンタジーでしかない。世の中をちゃんと観察すればいい。パーリーピーポー(パーティ大好き人間)なんて、いまどきアホな大学生でもあまりいない。みなアルバイトで多忙だ。学費も高いので、講義をサボって留年などできない。奨学金の返済のためにサッサと就職しなければならない。企業研究は一年生のときから始めなければならない。 パーリーピーポーといっても、せいぜいは飲み放題三千円で不味いもの食べて楽しいフリしているだけだ。持ち寄りのポテトチップスの袋を開けて食べているだけだ。話す内容も空虚な時間つぶしだ。そんな集団行動につきあうぐらいなら、ひとりでいるほうがいい。 お前のような馬鹿の言うことなど信じられないと思う方は、諸富祥彦(もろ とみ・よしひこ)の『孤独であるためのレッスン』(NHKブックス、2001年)を読んでみよう。ひとりでいることは悪いことでも恥ずべきことでもないとわかる。 森博嗣(もり ひろし)の『孤独の価値』(幻冬舎新書、2014年)も読んでみれば、ひとりでいることの充実について納得がいくと思う。 (第7回につづく『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』より再構成)
文:藤森かよこ 構成:BEST TiMES編集部