【秋華賞・激推し】前哨戦→放牧→美浦→栗東の移動でも本気度◎ コース攻略に不可欠な武器を持つ馬とは?
[GⅠ秋華賞=2024年10月13日(日曜)3歳牝、京都競馬場・芝内2000メートル] 牝馬3冠のラストを飾るGI秋華賞で、重要になる要素は一体何だろうか? 抜けたポテンシャルがあればもちろんそれが一番。ただ、それがなくても能力差を埋められるピースはある。ひとつは技巧的コースであるがゆえの「操縦性」。もうひとつは、外厩との綿密な「連携」だ。その両者を兼ね備えたミアネーロが、ジョッキーの忘れ物ともども〝憧れ〟を取りにいく。 10日競馬(入厩から最少日数の10日間で挑む)でGⅠを勝てるわけがない――。令和の競馬でこんなことを言っていては時代遅れ。良質な外厩とトレセンの連携が何よりも重要な今、トレセンでの滞在時間が短いことは評価を下げる理由になり得ない。 秋華賞トライアルのGⅡ紫苑Sで2着に入った後、すぐさま福島県のノーザンファーム天栄に放牧に出されたミアネーロ。疲れを癒やして美浦に戻ってきたのが今月2日だから、この時点で秋華賞までの日数は12日。まさに10日競馬だ。3日に栗東トレセンに移動して、レースに備えるというプランに「忙しくないか?」と勘繰る人がいるかもしれない。それで評価が下がるなら好都合だ。「天栄でしっかり疲れを取って、美浦を経て栗東へ。ここまで順調に調整できており、好レースを期待したい」と林調教師は言っている。断然ヤル気だ。 3歳牝馬にとって秋華賞は3冠ラストのレースではあるが、ここを逃したところでしばらく適鞍がないわけではない。万全でないなら、11月10日のエリザベス女王杯を目指せばいいだけのこと。わずか1か月強の期間で、放牧→美浦→栗東のローテを組んできたのは、それだけ紫苑S後の回復がうまくいき、ラスト1冠を狙える状況にあるからだろう。 主戦の津村は常々、ミアネーロについて「競馬での乗りやすさ」を褒めている。テクニカルな京都内回り芝2000メートルではこの操縦性の高さが大きな武器だ。加えて、この秋から新たな〝装備〟が加わった。「前走は前有利の展開の中、際どいレースができましたからね。体幹がしっかりして瞬発力がつきましたね」とは紫苑Sを振り返った林調教師の弁。従来の乗りやすさに加えて、鋭敏な決め手も獲得した今、臆するものは何もない。 ノーザンファーム天栄と林厩舎が繰り出す10日競馬のGⅠ取り――。鞍上にとっては5年前、クロノジェネシスの2着に泣いたカレンブーケドールのリベンジもちょっぴり含まれているかもしれない。
東スポ競馬編集部