<吉本新喜劇・島田珠代>知られざる「容姿いじり」への葛藤「『バケモノ』はいいけど“あの言葉”だけは…」
「おばちゃん」と呼ばれることは受け入れられなかった
――新しいパートナーにめぐり会えたりといったポジティブな結果は、珠代さんの受け入れる姿勢から生まれているんですね。 そうなんですよ。でもそんな私でも最近まで「おばちゃん」と呼ばれることを受け入れられなかったんです。バケモノと呼ばれてもいいけど、おばちゃんはイラッと来るという(笑)。 つまり誰しも受け入れられない一線があるということですよね。 でも、それも現在のパートナーのひろしさんと生活するようになってから変わっていったんです。 ――パートナーがどう関係を? どんなに美しい人でも見た目は劣化していく訳じゃないですか? でも、魂は磨けば磨くほど美しくなれるんです。魂を磨き合える人と一緒になれたら、現実世界のつらい出来事も受け入れやすくなると思うんです。 私はひろしさんと生活していくうちに、おばちゃんでもめちゃめちゃ楽しい、おばちゃんが一番ええやん! って思えるようになりました。「おばちゃんダンス」という新しいギャグも生まれましたしね。 ――おばちゃんダンスは「パンティーテックス」に続く大ヒットギャグですよね。珠代さんは今後、どのような芸人さんになっていきたいと考えていますか? どうなりたいとかはないですね。とにかく一生懸命舞台に立ち続けたい。 劇場には親御さんに連れられて、2、3歳のお子さんもいらっしゃるのですが、じっとしていられないんですよ。でもこっちが熱を込めて一生懸命やると、子どもたちがハッとこっちを見る瞬間があるんです。そんなとき、「やった」と思うんですよね。これが、手抜きしていると本当に響かないんです。 容姿に悩んでいる方が私の芸を見たときに「私も自分を受け入れて頑張ろう」と思ってもらえるよう、今後も一生懸命、芸に取り組んでいきたいです。 取材・文/福永太郎 写真/松木宏祐
島田珠代