青木さやかさん「離婚・2度のがん・母の看取り」とても苦しかったとき、自分を変えてくれた言葉
さまざまな経験を重ね、起伏に富んだ人生を歩み、これからも前に進んでいくアラフィー女性、タレント青木さやかさんと、文筆家でありイラストレーターの内澤旬子さんに自分を動かす言葉をお聞きしました。 【写真】大人の心に響く!特別インタビュー
動物愛護の活動で知り合った、今は亡き友人が教えてくれた「八道」です。6年前に自分が病気にかかり、親が亡くなってとても苦しかった。そのときに教わったのですが、初めて聞いたときには八道はとてもできる気がしませんでした。3年たってスラスラといえるようになり、5年たつと少しずつ自分のものになってきた。それに伴って、自分が信頼できる自分になってきた気がする。言葉で傷つき、傷つけてきた。そのため、それを怖がって発言を躊躇するようになりました。しかし、この「八道」を身につけ、自分も他人も同様に大切にする強固な軸を自分のものにできれば、誰かの言葉で傷つくことも減り、口をつく言葉は堂々としたものになる。そう願っています。 ◇タレント、俳優、エッセイスト 青木さやか ’73年、愛知県生まれ。’96年に芸人デビュー。出産、離婚、パニック障害、2度のがん、母の看取りなどを経験。その場所で会いたい人をゲストに招き、繰り広げるトークショー「with青木さやか」を各地で開催中。
内澤旬子さんの心動かされた言葉
座って半畳、寝て一畳 仏僧の言葉と記憶していましたが、諸説あるようです。これを、贅沢を戒める言葉として使われるかたも多いようですが、私は不安に陥った自分を落ち着かせるときに唱えるようにしています。悩んでいることがたいしたことではないと思えてくるからです。言葉の力は、とても大きいです。同じ行為についてでも、名づけ方によって傷つく人を生んだりしますし、言葉を被せることによって大きな気づきを得られる場合もあります。そして時代とともに変わっていくものでもあるので、人生の後半期にあっても「これまでの常識」にとらわれずに常に学んでいきたいと思っています。 ◇文筆家、イラストレーター 内澤旬子 ’67年、神奈川県生まれ。『世界屠畜紀行』(角川文庫)など、リアルな体験と綿密なイラストを生かした作品を発表。’14年より小豆島に移住し、ヤギと暮らす。最新作は『私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月』(山と渓谷社)。
取材・原文/吉川明子 イラスト/小笠原晴子 ※エクラ2024年10月号掲載