「この年で妊娠なんて一生の不覚…」43歳未婚の看護師がまさかの妊娠。産んだはいいけどリアルは残酷。自由ナシの結婚とボロボロの身体で育児の現実を追う。
「その言葉にめちゃくちゃ泣きました。つわりもキツかったし、何より周囲からの視線が厳しくて…」。 先輩からは「私のときは休むなんてありえなかった」と責められ、若手からは「この歳で妊娠とかキツそう」と言われ、美和さんの心は荒んでいた。 「彼の提案をありがたく受け入れました」。 大手企業の管理職である彼への信頼と看護師だから再就職は簡単だという思い込みがあったという。 「妊娠中でホルモンバランス乱れていたのかも。今思えばバカだったなって思います」。 晴れて退職をし、専業主婦として夫を支える日々。どんどん大きくなるお腹。これが女性としての幸せなのね…と感じていた矢先。仕事で夜遅く帰って来た彼の衝撃的な一言が美和さんを現実に引き戻した。 ―そういえば、今月の生活費、まだもらってなかったよね。ちゃんと払ってね。 美和さんは耳を疑ったという。【後編】では夫との認識の違いと家族の変化をさらに詳しく追っていく。 取材・文/祥鹿