引退の元小結阿武咲、ライバル貴景勝に言及し涙「同じ時代を生きられて良かった」
18日に日本相撲協会が現役引退を発表した元小結阿武咲(28)=本名・打越奎也、青森県出身、阿武松部屋=が19日、東京・両国国技館で会見し、「今はものすごくすっきりした気持ち。やりきった気持ちでいっぱいです」と約12年に及んだ土俵人生を振り返った。 両膝や両肩などにけがを抱える満身創痍(そうい)の状態で、本来の相撲が取れなくなったことで引退を決断した。「家では妻に、ほとんど介護してもらうような生活を送っていた」という。 思い出の一番には令和5年初場所13日目の大関貴景勝戦(現湊川親方)を挙げた。優勝争いの大一番で、同学年のライバルに敗れはしたものの、「自分はうれしかった。最高峰の舞台で顔を合わせられてよかった」。湊川親方にも引退を報告し、「現役中は素直な気持ちを言えなかったけど、『ありがとう。同じ時代を生きられてよかった』といえてよかった。(親方からは)『おれら頑張ったよな』って。うれしかったですね」と涙をぬぐった。 今後は、現役時代に愛用していたスキンクリーム「馬油」の製造販売会社に就職する。「これからの人生も逃げずに真っ向勝負で生きていきたい」と抱負を語った。