時代を映すゲーム(1月18日)
お金を稼ぐ代わりに、会員制交流サイト(SNS)でフォロワー数を増やす。目指すのは億万長者ではなく、社会に影響力を持つ「インフルエンサー」。ボードゲーム「人生ゲーム」の令和版は、現代の世相や価値観を巧みに表す。 いわき市出身で、玩具メーカー「タカラ」(現タカラトミー)の創業者である今は亡き佐藤安太さんが一九六八(昭和四十三)年、世に送り出した。シリーズ化され、その時々のはやりや文化を取り入れながら、進化してきた。初代の登場から半世紀を経た今も、根強い人気がある。 「自宅の庭から金塊が出た」「宇宙旅行に行く」…。現実では、なかなか味わえない出来事を盤上で疑似体験できる。成功や失敗を繰り返し、前に進む。子どもの頃に夢見たのは、どんな将来だったか。ルーレットを回しながら、これまでの歳月を重ね合わせてみるのも面白い。 不要不急の外出自粛で、家族と過ごす時間が増えた人も多いだろう。この機会にこたつを囲み、卓上ゲームを楽しむのもいい。人生はついているときもあれば、そうでないときもある。今年は、どんな一年になるのか。願わくば一日も早く、「コロナ収束で上がり」となってほしい。