小倉智昭さん、キャスター生活で乗り越えた “吃音の壁” 70年越しの努力に「同じ悩みを持つ人々」に感動広がる
12月10日、フリーアナウンサーの小倉智昭さんが、9日に亡くなっていたことが発表された。享年77。突然の訃報は多くの人に衝撃を与えている。 【写真あり】『とくダネ!』後任者が明かした「小倉智昭さんの重圧」 小倉さんは、2016年に膀胱がんを公表。肺に転移するなど、長く闘病生活を続けながら仕事もこなしてきた。 「2024年11月23日に放送されたトーク番組『小倉ベース』(フジテレビ系)では、小倉さんが都内の自宅にEXILEのHIROさんと女優の松本若菜さんを招き、軽妙なトークを展開していました。ただ、その後、不調を訴え、千葉県柏市内の病院に入院。体調が急変し、12月9日に亡くなったそうです」(芸能記者) 東京12チャンネル(現・テレビ東京)にアナウンサーとして入社した小倉さんは、フリーアナに転身すると、1980年代からラジオパーソナリティーとして活躍。 たくみな話術を評価され、1989年の『キャッチ』(日本テレビ系)や1993年の『どうーなってるの?!』(フジテレビ系)など、多くのワイドショーに司会者として出演。 1999年から2021年まで、朝の情報番組『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)の総合司会を務め、“朝の顔”として、多くの人に親しまれた。 よどみなく話す姿が印象的だったが、じつは長らく悩みを抱えていた。 「幼いころから、言葉が円滑に出てこない吃音(きつおん)であることを公表していました。学生時代は周囲にからかわれることもあったようですが、大学の就職活動では、あえて人前で話す職業であるテレビ局のアナウンサー試験を受けたのです。 テレビで言葉が出ないことはなかったものの、自宅ではどもることもあったそうです。吃音を克服するため、そうとうな努力を重ねたのでしょう」(前出・芸能記者) そんな “壁” を乗り越えた小倉さんの姿は、同じ悩みを抱える人からも頼もしく映ったようだ。Xでは《同じ吃音症でキャスターやってるの凄いなぁってずっと思ってました》《吃音をもつ一人として吃音のこと口にしてくれることが嬉しかった》と、感動の声があがっている。 小倉さんの話す姿からは、70年越しの努力が垣間見えていた。 「近年は、テレビで吃音について取り上げられることも増え、少しずつ吃音の人に対する理解が進んでいます。ただ、小倉さんが若いころはまだそうした空気が薄く、苦労する場面も多かったと思われます。 それでも、テレビや講演会などで吃音について積極的に発信し続けていました。小倉さんの言葉に勇気づけられた人も多かったのでしょう」(前出・芸能記者) 幼少期から抱える悩みに真正面から向き合い、テレビで巧みな話術を披露した小倉さんの努力は、これからも語り継がれていくことだろう。