FDICの「問題銀行」、第3四半期に2行増加 業界全体で8.6%減益
Pete Schroeder [ワシントン 12日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は12日公表した報告書で、第3・四半期は「問題銀行リスト」に2行を追加したと示した。これらの銀行の総資産は39億ドル増えて873億ドルになった。 このリストにはFDICが定めたリスク指標に基づく評価値が低い銀行が掲載されるが、個別名は明らかにされない。FDICのグルエンバーグ総裁は、リスト掲載は計68行、預金保険対象銀行全体の1.5%で、異常な比率ではないと説明した。 預金保険対象銀行の第3・四半期利益は前期比8.6%減少。第2・四半期に株式取引で一時的な利益が膨らんだ反動が出たのが主な要因だった。 ただ今回の報告書では、銀行セクター全体として事業環境が安定していることがうかがえる。第3・四半期の純金利収入は45億ドル増加し、純利ざやは全ての規模の銀行で上昇、預金量は1.1%増の1946億ドルに達した。保有有価証券の含み損は29%減っている。 グルエンバーグ氏は「銀行業界は第3・四半期も底堅さを示し続けた。純金利収入と純利ざやはかなり上向いた」と述べた。 一方気がかりな要素は、商業不動産分野で延滞・未収利息非計上ローンの比率が2013年以来最も高い2.07%に達したことだった。借り手がコロナ禍後の高水準の空室率に引き続き苦戦している様子が分かる。