逆転シードへ上井邦浩が急浮上 カシオ会場に用意される“速報板”
◇国内男子◇カシオワールドオープン 3日目(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆3054人) 【画像】画像詳細 上井邦浩 上井邦浩が練習器具を開発! その名は「トライアングルロックマン」 翌年の賞金シード選手が決まる「カシオワールドオープン」の会場では毎年、選手・関係者用に他大会とは違うリーダーボードが用意される。試合運営の中心を担うダンロップスポーツエンタープライズが2008年に導入したもので、選手のスコアが動くたびに暫定の賞金ランキングを表示。クラブハウスには緊張の面持ちで閲覧するプロやキャディの姿がある。 翌週に始まる予選会(QT)のエントリールームがハウス内に設置されるのも本大会ならでは。来季のシードを逃したことが決まった選手は、ツアーのスタッフからそっと予選会の申込用紙を手渡される(手渡す側の気持ちも考えると大変だ…)。上位選手のみが出られる次週の「日本シリーズJTカップ」(東京よみうりCC)を残した、フルフィールドのシーズンラストゲームには異様な雰囲気が漂う。 来シーズンの職場を争う最後の戦いは残り18ホール。最終日を前に、シード獲得圏内に42歳の上井邦浩が飛び込んできた。予選ラウンドで「68」を並べ、10位で迎えたムービングデーは4バーディ、1ボギーの「69」。通算11アンダーで首位に1打差の3位につけた。
賞金ランキングは現在95位。ボーダーラインである上位65位(出場義務試合数不足の選手を除く)が遠い状況から、3シーズンぶりのシード奪還のチャンスが巡ってきたが、「ここまで400万円ほど(約424万円)しか稼げていないのに、シードを狙ってとは言えないですよね」とベテランは淡々。3日目終了時の暫定ランク55位だろうが、「そこは意識せずにやれることをやるだけですね」と話した。 シード復帰だけでなく、悲願の初優勝も狙える位置に違いない。「みんなが思っているほど何も思っていないです。全然、意識もしていない。良いゴルフをしたいなと。せっかくギャラリーも多いので」。2005年「中日クラウンズ」でのツアーデビュー以来、19年210日の初優勝は、詳細記録が残る1985年以降で最も時間がかかった初タイトル獲得となる。(高知県芸西村/桂川洋一)