トランプ氏、FBI長官交代へ 「反トランプ派」追放の可能性も
トランプ次期米大統領は11月30日、連邦捜査局(FBI)の長官に、トランプ氏の忠実な支持者で1期目の政権で国防総省高官などを務めたカシュ・パテル氏を起用すると表明した。クリストファー・レイ現長官には辞任を迫り、応じない場合は任期途中で解任するとみられる。 【写真まとめ】トランプ次期政権の人事 主な顔ぶれ(2024年11月現在) パテル氏はトランプ氏に対する「政治的捜査」を強く批判しており、連邦上院で人事が承認された場合、「反トランプ派」と判断した捜査官らを組織から追放する可能性もある。 トランプ氏は30日の声明で「カシュは司法長官(候補)のパム・ボンディ氏の下で、FBIに忠誠、勇気、品位を取り戻すために働く。FBIは米国での犯罪のまん延を終わらせ、外国から流入した犯罪組織を解体し、国境をまたぐ人身売買や麻薬密輸を止めることになる」と期待感を表した。 トランプ氏は2021年の大統領退任後、20年大統領選の結果を覆そうとした事件と退任後に機密文書を持ち出した事件でFBIや司法省の捜査を受け、起訴された。 米メディアによると、パテル氏はFBIや司法省への報復を提唱しており、トランプ氏の捜査に関わった関係者を組織から追放したり、「権力の乱用」などの疑いをかけて内部調査や捜査を行ったりする可能性が指摘されている。 パテル氏は公選弁護人や対テロ捜査の検察官などを経て、第1次トランプ政権では国家安全保障会議(NSC)の対テロ上級部長や、国防長官代行の首席補佐官を務めた。【ワシントン秋山信一】