核戦争を止め核兵器のタブーを確立してきたことこそ日本被団協の最大功績だ
■試される石破首相の決意と外交力量 その意味で、石破茂首相には、核廃絶前進への日本国民の決意を国際社会で有効に反映させる個人としての外交力量が試される。日米同盟の堅持は自民党だけでなく立憲民主党ほか多くの野党の政策でもある。国民の大半もこれを支持している。 この現実に立脚して石破氏は日米同盟を堅持しつつも中国、ロシア、北朝鮮との間にアメリカとは別の外交空間を開き、日本の国益とこれら3国の国益との共通基盤を固めていくべきだろう。
党内保守派の反目もあり、容易な作業ではないが、説得力ある外交を推進することで初めて日本はノーベル平和賞にふさわしい国民国家の地位を確立できるだろう。
菱木 一美 :広島修道大学名誉教授