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韓国文大統領の支持率が急降下、政権の末期症状を元駐韓大使が解説

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ダイヤモンド・オンライン

 世論調査機関のリアルメーターがテレビ局YTNの依頼で調査したところによると、文在寅大統領の国政遂行支持率が7月第2週に1.1%下落して48.7%となった。 【この記事の画像を見る】  下落幅は大きくないとはいえ、5月第3週から7週連続の下落である。しかも今回の調査では進歩系野党の「正義党」を支持する層などの進歩陣営が下落を主導したという。これまでは文大統領の支持層は強固だったが、進歩系政権である文政権にとって心配材料だろう。  支持率下落の要因も次々に増えている。  先週の下落は、安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道知事の母親の葬儀に送った文大統領の弔花を巡る議論のためといわれている。安氏が随行秘書に対する性的暴行容疑で実刑を宣告され、服役中であるのに大統領名義で弔花を送ったことに対し批判が出たようである。正義党は、「こうした行動が被害者と韓国社会に『性的暴行にも負けない政界の連帯』と受け取られないか懸念される」として強い遺憾を示した。  10日未明に遺体で発見された朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長のセクハラ疑惑についての影響は、今後出てくると思われる。  これまでの文大統領への支持率の下落は、南北関係を破壊する北朝鮮の行動を招いた文政権の仲介政策の失敗や不動産政策の失敗、仁川国際空港の非正規職員を正規雇用化する政策が不公平なものであるという批判が原因だった。これらについて振り返ってみよう。

● 南北関係、米朝関係の 改善の見込みは極めて薄い  文大統領の支持率を低下させる原因の第一に挙げられるのが、対北朝鮮政策の失敗だ。だが、これについては再三論じてきたので、改めて詳細には取り上げない。  ただ、新しい要素としては、ビーガン米国務副長官の韓国訪問がある。ビーガン副長官は9日、徐薫(ソ・フン)国家安保室長と70分間会談した。会談後、韓国大統領府(青瓦台)は「ビーガン副長官は米朝間の対話再開の重要性を強調し、われわれと緊密な協調体制を維持すると語った」と発表した。  しかし、ビーガン副長官は青瓦台が発表する前日、「われわれは北朝鮮に対面は要請しなかった」と語り、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第一副部長は10日、「朝米首脳会談のようなことは今年中には起きないと思う」とする談話を発表した。金与正氏はその中で米朝会談は「米国側だけに必要なものであり、われわれには全く非現実的で無益だ」と述べたという。  当面、米朝関係と南北関係に劇的な改善が見られる可能性は極めて低いと言わざるを得ないだろうし、南北関係の進展によって文大統領の支持率が持ち直すこともないだろう。 ● 保守政権のセクハラは許せないが 「共に民主党」ならおとがめなし?  支持率下落要因の第二が、政権に近い有力者たちのセクハラ疑惑だ。ここへきてセクハラ問題が韓国社会で大きくクローズアップされ、支持率下落の大きな要因となっている。  その中でも朴ソウル市長のセクハラ疑惑は、支持率下落をどこまで加速化させるのか注目される。朴市長がセクハラ疑惑を苦に自殺したことについて、与党関係者は神経過敏になっており、セクハラへの言及を意図的に避けている。朴市長を追悼・哀悼はしても、被害女性への同情の声は聞かれない。  朴市長に近く、葬儀の共同執行委員長を務めた朴洪根(パク・ホングン)議員は、「フェイクニュースや推測による報道は個人と遺族はもちろん、被害を訴えた人に対しても大きな傷を与える可能性がある」と述べたが、もちろん趣旨は被害者への同情ではなく、この事件をなかったものにしようとの意図が透けて見える。

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