「ギャンブル依存症は病気」 若者もオンラインで多額の借金…違法行為へ警鐘『every.特集』
■“オンラインならでは”の危険性
横浜市にある、「依存症の治療」を専門とするクリニック。30年以上治療に携わる医師はオンラインならではの危険性に警鐘を鳴らします。 依存症を長年治療 大石クリニック 大石 雅之 院長 「オンラインだと、気づいたら何千万円とか」 「発症から破滅に至るまでが非常に早い。本人が(ギャンブル中に)止まるチャンスが非常に少ない」 「いつでもできる、額が無制限、これはたちが悪い」
■オンラインカジノ 日本で賭けたら「賭博罪」
手軽にいつでもアクセスができるため、短時間で多額の借金を背負うケースが多いといいます。 実はこのオンラインカジノ、海外で合法的に運営されるサイトであっても、日本国内からアクセスし、賭けを行えば「賭博罪」に問われます。 警察庁や消費者庁は再三注意を呼びかけています。 私たちは取材をする中で、オンラインカジノにのめり込んだ一人の男性に出会いました。20代のハヤトさん(仮名)。 オンラインカジノに依存 ハヤトさん(仮名・20代) 「借金300万円作って。のめり込んでいくスピードがすごく早かったなって思いますね」 オンラインカジノを始めてからわずか4か月で、300万円もの借金を抱えました。 きっかけは、3年前。SNSで見た「ある広告」でした。 ハヤトさん(仮名・20代) 「僕が好きなサッカー選手が映っているオンラインカジノのバナー広告が目について。本当に暇つぶしになればいいなということで」
■日本国内で“違法行為”と知らず…
そこには「初回限定キャッシュバック」や「ボーナス」など特典が書かれていました。 ハヤトさん(仮名・20代) 「ちょっとしたゲーム感覚というか、ゲームサイトなのかな?みたいな軽い気持ちでクリックしましたね」 ハヤトさんが実際に使用していたオンラインカジノのサイトのトップページには、有名サッカー選手が並び、高評価のレビューも。「支持率ナンバーワン」とうたっています。 登録をした先は、ディーラーがいて複数のテーブルゲームができる、まさに、リアルなカジノ。「少額ならば」と、ハヤトさんはゲーム感覚で1000円を入金。すると… ハヤトさん(仮名・20代) 「1000円使って(最初は)負けて。1000円とかじゃ満足できなくなって1万円とか10万円。何のちゅうちょもなく入金するようになっていました」 「生きてきた中で、これほどのめり込んだものはないというか、何にも代えがたい刺激」 わずかな時間で勝負の結果が出るそのスピード感に高揚感を覚え、のめり込んでいったといいます。 スタッフ 「日本で違法だという認識はあった?」 ハヤトさん(仮名・20代) 「犯罪という意識はなくて。それこそサイトとかには『拠点が海外にあるので安全です』『安心・安全です』と書いてあるサイトが結構あったので」 日本国内での「オンラインカジノ」の利用が違法行為にあたるとは認識していませんでした。 当時、演劇関係の仕事をしていましたが、常にサイトにアクセス。掛け金も増え、借金を重ねるように。 ハヤトさん(仮名・20代) 「やめようという自分もいるんですけど、その意思に反して体が勝手に動いている。やめられなかった。やめたいのにやめられない」 ハヤトさんの当時の月収は、約20万円。借金返済におわれ、精神的に追い詰められていったといいます。 「一瞬で大金が手に入る方法、何かないかなと…闇バイトであったり、人の家に侵入して金目のものを取るとか、実際行動は移さなかったんですけど頭をよぎることはありましたね」 苦しんだ末、ハヤトさんは自ら支援団体に連絡。そこで、自身が「ギャンブル依存症」だと自覚したといいます。