名古屋城バリアフリー化巡る市民討論会での“差別的発言” 検証委「市関係者の人権感覚の希薄さが背景・遠因」
木造復元される名古屋城のバリアフリー化に関する市民討論会での差別発言問題で9月18日、検証委員会が最終報告書を公表しました。 【画像】検証委員会の最終報告書を受け取る河村名古屋市長
■“差別的発言”止めなかった市の責任は
2023年6月に開かれた市民討論会では、エレベーターの設置を求めた障害のある男性に対し、参加者から差別的な発言が浴びせられました。 その場にいた河村市長や市の担当者が、誰も発言を止めたり注意しなかったことに批判が集まり、専門家らでつくる検証委員会が原因究明を進めてきました。 およそ1年に渡る検証を終え、18日午後、検証委員会は最終報告書を提出しました。 最終報告書では、バリアフリー化の方針を巡って障害者団体に対する誹謗中傷が数多く届いていたことを市が認識していたと指摘しました。 また、激しい対立意見として人権侵害が生じないよう、細心の注意を払うべきだったにもかかわらず、市長・副市長をはじめとした関係者の人権感覚の希薄さが差別事案の背景・遠因にあったとしました。 そして再発防止策として、実効性のある人権条例を新たに制定することなどが提言されました。 河村名古屋市長: 人権意識が希薄だったと言われれば、そういうことですね。当事者の方には大変申し訳なかったと、改めて謝罪せないかん。
■名古屋城の木造復元 完成は10年遅れに
名古屋城天守閣の木造復元の構想は2012年に遡ります。河村市長が「名古屋民族の誇りとして何とか成し遂げたい」と天守閣の木造復元を表明しました。当初は2022年の完成を目指していました。 しかし、石垣の保護、耐震性の問題、さらに今回の発端となったエレベーター設置の議論などが沸き起こり、計画通りには進みませんでした。 名古屋市は2023年3月、完成時期が最短で2032年度となり、当初の計画から10年遅れるという見通しを示しました。 (東海テレビ)
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