<上海だより>シェア自転車の児童事故死(下)なぜ欠如?交通意識改善の議論
では、今回の事件の後に小学生の子どもを持つ中国の家庭や小学校ではどのような反応があったのでしょうか。 上海市中心部に住む親子に聞いてみたところ、上海市内のある小学校では事件の翌日に、12歳以下の子どもはあらゆるシェアリング自転車に乗ってはいけないこと、なぜ12歳以下の子どもが自転車に乗ってはいけないか、などが先生から話されたそうです。 公共の道路は危険です。これは中国に限った話ではなく、日本だろうと他の国であろうと同じことです。ましてや、自転車という乗り物は自動車のように免許がなくても利用することができ、いずれは多くの人が利用することになる乗り物です。 中学生であろうと、高校生であろうと、成人以上の大人であろうと、あらゆる人々が交通事故というリスクを完全に回避することはできないのです。果たして、中国で12歳未満の児童に対して教えるべきことは「乗ってはいけない」という法的な禁止事項だけで良いのでしょうか? 「道路は危険だ」とただ教えるだけで、中学校へ進学し急に自転車に乗り始めた後、それまでに交通ルールや正しい乗り方を教わらずに交通事故に巻き込まれてしまったら、あるいは理解してないが故に第一当事者として事故を起こしてしまったら、それで良いのでしょうか? 小学校低学年からの自転車利用がごく普通の日本の感覚からすると不思議に思える、そんな事件でした。