香港映画「九龍城寨之圍城」撮影セット 空港からAIRSIDEに移設へ
2024年の香港の大ヒット映画「九龍城寨之圍城(Twilight of the Warriors/トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)」の撮影で使われたセットが12月16日、香港国際空港(HKIA)から啓徳(Kai Tak)にあるショッピングモール「AIRSIDE」に移して展示される。香港政府観光局(HKTB)が11月20日、明らかにした。(香港経済新聞) 今年5月に公開された同作は、まさに九龍城砦を舞台にした映画。1980年代、香港にはベトナム移民が多く流入していた。密入国した若者チャンは黒社会のルールを拒み、己の道を選んだために組織に目を付けられる。追い詰められたチャンが命がけで逃げ込んだ先は、まさに運命が導いた九龍城砦だった。しかし、九龍城砦を巻き込みながら黒社会の抗争が激化していく。 主演はルイス・クー(古天楽)さん、ほかにも、香港映画界の重鎮サモ・ハン(洪金寶)さん、アーロン・クオック(郭富城)さんらが出演。アクション監督は、香港のアクション映画界で確固たる地位を築いている谷垣健治監督、音楽はアニメ、ドラマ、CM、ゲーム、舞台など幅広い世界で曲を提供している川井憲次さんが務める。 ヒットの理由の一つとして総製作費の6分1に当たる5,000万香港ドルを投入することで、リアルな九龍城砦の内部を描くことができた点。「三不管」(イギリス、中国、香港政庁のいずれもが管轄できない)と例えられた九龍城砦の住人も「訳あり」で住んでいた人が多く、まさにスラムでしかなかった。そこでの人間模様を映画いたこともヒットにつながった理由の一つと考えられている。 同作に使われていた高さ6.5メートルのセットは10月7日~11月20日、香港国際空港ターミナル1の到着ホールに設置されていた。セットは、理髪店、氷室、商店などを巧みに再現し、HKIAに到着したばかりの大勢の来港者が記念撮影する観光スポットであり、インスタ映えスポットになっていた。 第2弾は、啓徳にある大型ショッピングモール「AIRSIDE」に12月16日から展示する。テーマは「主舞台(main stage of the movie)」。HKIAの展示物を生かしながら、さらに5つのテーマゾーンを追加する予定だという。来場者は、アンテナや配線、配管などが縦横無尽に交差する暗い路地や怪しげなネオンサインの下歩き、映画に登場した店や屋台を歩き回れるよう工夫を施す。 HKTBとしては、2度にわたる展示会を通じて、来場者に映画の象徴的なシーンを体験してもらいたいと考えるほか、映画の足跡をたどりながら香港の歴史と文化を深く探求してもらい、香港の映画への理解を深めてもらうことを目指している。
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