"本田宗一郎イズム"に忠実 初代シティがホンダのチャレンジ精神の塊であると言われている理由
モトコンポを同時に発表・発売
ホンダらしいと言えば、初代シティのラゲッジに積載できるというコンセプトで開発された50ccの原付のモトコンポ。コンパクトかつボクシーなデザインは今見ても斬新。ハンドル、シート、ステップは折りたたんでボクシーなボディに収納できる。さらに横倒しして積載することも可能だったという優れもの。 初代シティと同時に発表・発売され、当時の新車価格は8万円。話題性抜群で、自動車雑誌の『ベストカー』の初代シティの新車インプレッションでは、徳大寺有恒巨匠もモトコンポに試乗してご満悦だった。その時の写真を見返すと、当時は原付乗車時にヘルメット装着が義務付けられていなかったこともありノーヘル。これも時代を感じさせてくれた。 ホンダ関係者によると、当時初代シティとセットで購入する人はそれほど多くなかったが、トランクに搭載できる原付として、根強い人気だったという。
ステップコンポは重宝した!!
少々話はそれるが、ホンダの二輪車と四輪車のコラボといえば、2代目ステップワゴンに折りたたみ式電動アシスト自転車の『ステップコンポ』も有名。筆者はステップワゴンは購入しなかったがステップコンポを単体で購入し、かなり重宝した。そのほか新しいところでは2023年に開催されたジャパンモビリティショーでは、初代シティ&モトコンポの再来とも思える、『サステナCコンセプト』と小型電動バイク『ポケットコンセプト』のコラボも注目されていた。電動化で初代シティとモトコンポが復活する姿は2025年中には拝むことができるかも。
何に乗っても楽しかったあの頃
初代シティがデビュー時に搭載していたのは、新開発の1.2L、直4SOHCで最高出力は67ps、最大トルクは10.0kgmといたって平凡なエンジンだが、車重が665kgと今の軽自動車よりも軽かったこともあり、走りはキビキビ気持ちよかった。筆者は初代シティがデビューした時には中学3年生。当然運転できるはずもなく、派手なクルマではなかったので興味の対象外だったが、大学に入って免許取得後に自動車部在籍の友人が中古で買った個体に乗せてもらった。今ではクルマに乗ると職業柄、ボディ剛性が云々、エンジンの回転フィールが云々、足回りが云々と偉そうにアラ探しをしてしまうが、当時は何に乗っても新鮮で、いいところしか見えなかった。まぁ、これでは仕事にならないが、今後老後に向けて、当時のフレッシュな気持ちを取り戻すことが、残りのカーライフを楽しむ秘訣なのかも、と初代シティに乗った時を思い出して考えたりする。