小林麻美の歴代シングルトップ5は?
70年代からモデルや歌手、女優として活躍し、憂いのある表情やスレンダーなスタイル、洗練された都会的な雰囲気で人気を博した小林麻美は、11月29日が誕生日。そのメモリアルな日にちなんで、歴代シングルのトップ5を紹介していきましょう。 小林は、CM出演やモデルを経て、18歳でアイドル歌手として「初恋のメロディー」でデビュー。ヒットはしたものの、同じ年に「芽ばえ」でデビューした麻丘めぐみが年末の日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞するなど華々しく活躍したのとは対照的に、当時に求められていた明るく無邪気なアイドル像とは異なっていたこともあり、その後はアイドル歌手としては大成功とまでにはいたりませんでした。 しかしながら、70年代後半から資生堂やパルコなどのCMで人気を博すと、1980年の映画『野獣死すべし』をはじめ、映画やドラマに多く出演し、女優として高い支持を集めました。歌手としても、1988年に日本武道館にてコンサートを開催。その後、結婚し、芸能界を引退しますが、2016年に芸能活動を再開しています。 70年代から80年代までにオリジナル作品を発表してきた小林ですが、その最大のヒット曲となったのが、1984年にリリースした「雨音はショパンの調べ」です。同曲は前年にイタリアの歌手のガゼボが発表した「アイ・ライク・ショパン」(I Like Chopin)のカヴァーで、当時は“小林麻美 with C-POINT”名義でリリース。ガゼボによるオリジナル曲は、イタリア、ドイツほか欧州を中心に1位を獲得し、日本でもオリコン洋楽チャート1位を記録するなど、世界的なヒット曲となりました。 小林版は、原曲ではガゼボことパウル・マッツォリーニによる詞を、小林の旧友の松任谷由実が日本語詞を手掛け、週間チャート3週連続1位に。年間チャートでも12位を記録しました。同曲は松任谷がセルフカヴァー・アルバム『Yuming Compositions: FACES』でカヴァーしたほか、多くのアーティストにカヴァーされています。 これに続くのが、1972年リリースの「初恋のメロディー」です。小林の記念すべきデビュー曲で、作詞は橋本淳、作・編曲は筒美京平が担当しました。東洋紡「ダイヤモンド毛糸」とのタイアップで、CMソングや大々的なキャンペーンも話題となりました。 3位は1974年に4枚目のシングルとしてリリースされた「ある事情」で、最高順位は35位と伸び悩みました。小林はデビュー曲「初恋のメロディー」から「落葉のメロディー」「恋のレッスン」までは橋本と筒美のコンビによるシングルが続きましたが、「ある事情」は作詞が安井かずみに代わっています。 4位は1984年に発表した9枚目のシングル「哀しみのスパイ」です。大ヒット曲「雨音はショパンの調べ」に続いてリリースされ、「雨音はショパンの調べ」の日本語詞を手掛けた松任谷が作詞を、玉置浩二が作曲を担当しました。“モスクワはグレイの雨”で始まるダークで幻想的な世界観が印象的で、名曲として人気の高い楽曲です。最高位は23位を記録しています。 5位は1975年リリースの「アパートの鍵」です。前作「ある事情」に続く5枚目のシングルで、引き続き作詞・安井かずみ、作曲・筒美京平コンビが手掛けました。アイドル歌手としての伸び悩みやティーンエイジャーから20代へと移行する転換期ということもあってか、浅田美代子「赤い風船」や郷ひろみ「よろしく哀愁」などのヒットを生んだ安井を作詞に迎え、期待を寄せましたが、最高位は49位。次作の安井=筒美三部作第3弾「私のかなしみ」でも強烈なインパクトを残すことができず、約8年後の「雨音はショパンの調べ」までヒットを待つことになりました。 再評価も進んで久しい小林の名曲群は、『ゴールデン☆ベスト』や『ゴールデン・Jポップ~ザ・ベスト』(写真)などのベスト・アルバムや企画アルバムで聴くことができます。