手稲区まで地下鉄が!? 第2青函トンネル?
連合会の平川会長は、「冬場は市内中心部までバスだと2時間もかかってしまう。このような状況では地域の活性化を図ることは難しい」とし、「延伸が実現するまで要望活動を続ける」と意欲を見せる。 もうひとつの第2青函トンネル構想とは、津軽海峡に現在の青函トンネルとは別の新たなトンネルを設けることを目指すもの。大手ゼネコンや総合商社などからなる日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)がまとめた。 トンネルが2つあれば、現トンネルを新幹線専用、新たなトンネルを貨物列車と自動運転車の専用トンネルとすることが可能になり、新幹線と貨物列車の供用走行により生じる問題を解決することにもつながるとする。 プロジェクトの中心人物は、北大公共政策大学院の石井吉春客員教授だ。石井教授は、第2青函トンネルの整備費は約7000億円と試算。「四国と本州を結ぶ3本の橋の整備費は合わせて2兆4000億円。第2青函トンネルは費用対効果もかなり期待できるプロジェクト」と説明する。
第2青函トンネル構想実現へと動いているのが、道南の福島町。過去の青函トンネル整備の際に、町内の多くの人が工事に携わった。構想実現を目指す会も設立され、町内の800を超える法人、個人が会員となっている。 鳴海清春町長は、札幌延伸後は東京へ行く手段が飛行機から新幹線へと変わるとし、「供用走行の問題があるので今は最高速度で新幹線を運転できないが、利用者が増えてくればその必要性は高まる。そのためにも第2青函トンネルは必要だ」と訴える。 福島町の津軽海峡を挟んで対岸にある青森県今別町も、第2青函トンネル構想の実現へと取り組みを加速する。 町内には本州最北の新幹線の駅、奥津軽いまべつ駅があり、福島町を中心に道内自治体との関係も深い。第2青函トンネルに関する講演会やイベントもたびたび開かれ、今年度は北海道と青森県選出の国会議員に対し、道内の自治体と連携して要望活動を行う方針だ。 今別町総務企画課の坂本柊太主幹は、「国策レベルのプロジェクトなので慎重な判断が必要だと思う反面、地元の声が実現に向けては大きな要因になるので機運醸成に努めることが大事だと考えている」と話す。
番組コメンテーターの平本健太北大経済学研究院教授は、地下鉄の手稲延伸について、「地下鉄だけに捉われず人口減少時代だからこその公共交通の在り方を考えるべき」と提言。第2青函トンネルに関しては、「課題はあるものの経済効果は大きい。現在の青函トンネルには様々な光ケーブルも敷設されていて、既に空きがほとんどない状況だと聞くので、そうした観点からの整備の必要性も考えるべき」と指摘した。 (2024年10月12日放送、テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)