キャデラックならではの“ラグジュアリー”は日本で受け入れらないのか? メルセデスやBMWでは得られない世界観の今
快適すぎるリアシート
インフォテインメント・システムは、Apple CarPlayなどスマートフォンに対応する。これはいまや多くのクルマで標準装備になるいっぽう、ユニークなのは、ナビゲーションシステムだ。 新しいCT6に採用されたのは、完全通信型のクラウドストリーミング・ナビゲーションシステム。ゼンリン市街地図とオンラインVICSを使っている。マップの更新はオンラインで自動だから楽チンだ。 試乗時、エンジンスタートの瞬間こそ、接続に若干の時間を要したものの、動きだすと、これまでのカーナビゲーションと変わらない。なにより更新の手間が省けるのは便利だ。 「オプションがほとんど必要ないほど快適装備は満載」というのが、日本法人の車両設定方針だ。1045万円の価格で、アクティブリアステア(後輪操舵システム)、マグネティックライドコントロール(電子制御サスペンション・システム)、20インチタイヤ、レーンキープアシストやアダプティブ・クルーズ・コントロールなどからなる運転支援システムなどが標準装備だ。 さらに、先述のナビゲーションシステム、ガラスルーフ、レザーシート、10インチディスプレイによる後席エンターテインメントシステム、プレミアム・スピーカー・システムなど、快適装備も充実している。だからリアシートは快適だ。 ホイールベースは3110mm。メルセデス・ベンツSクラスの標準ホイールベース(3035mm)とロングホイールベース(3165mm)のあいだで、後席の空間的余裕はたっぷりある。 リアシートに座った辛酸なめ子さんが、「ゴージャスですね。ハリウッドセレブの気分に浸れます」と、述べていたのが印象的だった。 リアシートでは、好きな音楽とともに頭上を含めた外の景色を楽しんでもいいし、ビデオを観てもいいし、また、眠るなど休息をとるのにもいい。 ラグジュアリーセダンといえばレクサスLSやメルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズが定番かもしれないが、CT6もなかなかの実力を有することを記しておく。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)