瓊浦が粘る九州文化学園をPK戦で振り切り2回戦突破
17日の長崎県新人戦2回戦で行われた瓊浦と九州文化学園の一戦は、徹底的に走るサッカーを展開した瓊浦が、試合終了間際に2度に渡って追いつかれながらも、PK戦で九州文化学園を振り切り勝利した。 【フォトギャラリー】瓊浦 vs 九州文化学園 部員全員が1年生ながら、クラブチーム出身者中心で構成し、足下の技術が高い九州文化学園は、開始早々からボールを保持。FWカンミンギュがポジションに囚われれることなく動き周り、左サイドでは津島理音が個人技を生かして突破を狙っていく。 瓊浦はテクニックの面では九州文化学園に劣るものの、前線から最後尾までは徹底的に走るサッカーを展開。鋭い寄せで九州文化学園に決定的なシーンを作らせず、山田裕也・井上樹也らの足下を生かしながら、高さのある榎田後大をターゲットにしたカウンターで対抗する。 九州文化学園がボールを持ちながらも得点が奪えない中、前半25分過ぎに左サイドで攻撃の起点となっていた津島が負傷。一旦はピッチ外の治療で復帰できると思われたものの、結局、津島はこのままハーフタイムに負傷交代。 有光亮太監督にとって「イレギュラーだった」という津島の負傷交代があった九州文化学園だが、後半もボールを持って優勢にゲームを展開。後半3分には山本統介が強烈なミドルシュートを放つが、これは瓊浦のGK古賀竜希が弾き出しノーゴール。その後も、宮本真大や梅野哉大ら中盤の選手が流動的に動いて瓊浦ゴールへ迫っていく。 この劣勢をしのいだ瓊浦は、後半10分にショートカウンターへ持ち込み榎田がゴール。九州文化学園ペースの中で得点を奪い勢いを得た瓊浦は、この後も続く九州文化学園の攻撃を弾き返してはカウンターに持ち込むしたたかさを発揮。九州文化学園は攻めても得点の奪えない時間が続くが、後半30分に瓊浦のゴール前でのクリアボールがこぼれたところを、桐原吟がシュート。これが決まって九州文化学園が土壇場で試合を振り出しに戻す。 1-1で迎えた延長戦、追いつかれて苦しくなった瓊浦だが、延長前半3分に再び速攻から丸林賢起がクロスに持ち込み、最後は井上樹也が勝ち越し弾。直後に川村太地を投入し、高さのある榎田も後方に下がらせて守りを重視し、試合を締めに入っていく。これに対して、小川とカンがサイドに開きながら攻めていく九州文化学園の攻撃が実ったのは、延長後半の残り5分。左サイドを突破したカンが切り返してからゴール前へクロス。このボールを受けた宮本がドリブルからシュートへ持ち込み、再び同点とすることに成功。試合は2-2のまま延長戦を終了し決着はPK戦へなだれこんでいく。 双方最初の1人が成功させたPK戦では、九州文化学園のGK濱田悠太が奮戦。コースを読み切った上で抜群の反応を見せて、瓊浦のキックを2本ストップする。しかし九州文化学園、2人目の梅野と3人目の中務大暉のシュートはバーの上。さらに2-2で迎えた5人目のキッカー桐原のシュートも瓊浦GK古賀がストップと、この日の九州文化学園はPKが絶不調。対する瓊浦は、5人目のキッカー山崎晴が落ち着いてシュートを決めて試合を終了。2度追いつかれながらも最後の最後に突き放した瓊浦が3回戦に進出した。 (文・写真=藤原裕久)