所得の「申告漏れ金額」が多い業種TOP10 追徴税額についても解説
所得税を申告する際に収入の一部除外したり、申告自体をしないで税金をごまかそうとする人は一定数存在します。 元記事で画像を全てみる 本記事では、申告漏れ所得金額が多い上位10個業種と、悪質な申告漏れが多いと疑われる業種について解説します。
所得金額の申告漏れが多い業種TOP10
税務署から所得税の申告漏れを指摘される業種TOP10は、次の通りです。 <平成30事務年度 事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種> 風俗業やキャバクラは、高額の収入を得られる業種であることも相まって、1件当たりの申告漏れ所得金額は2,685万円と、多額の申告漏れを指摘されています。 また会社の経営などを指南する立場にもかかわらず、経営コンサルタントは第3位にランクインしています。 税知識が豊富な業種でも適切に申告していない人が一定数いることがわかります。
額の割合が高い業種の特徴追徴税
追徴税額は税務調査などにより、追加で納めることとなった税金で、上記の表では加算税も追徴税額に含まれています。 加算税には、「無申告加算税」・「過少申告加算税」・「重加算税」の3種類あり、課される加算税の種類によって税率は異なります。 <加算税の種類と税率> ※納税者が無申告だった場合の税率は40%です。 追徴税額の割合が高い要因としては、申告漏れの所得が多い点と、重加算税を課されるケースが多いことが考えられます。 第1位の風俗業は1件当たりの申告漏れ所得金額2685万円に対し、加算税を含めた1件当たりの追徴税額は727万円と、他の業種と比較しても追加で納める税金は非常に多いです。
高額案件以外も税務調査の対象
高額の申告漏れの案件だけが税務調査の対象ではなりません。 所得は少なくても意図的な収入除外や経費の水増しは調査対象ですし、不正還付をした納税者に対しても、税務署は調査を行います。 不正還付とは、本来還付金をもらえない人が税金の還付する内容の申告書を作成し、税金を不正に受け取る手口をいいます。 確定申告でお金が還付されるのは、先に支払った所得税があるからで、納めている所得税がない人は、いくら控除を適用しても還付金額はゼロです。 節税行為は法律を守らないと脱税行為になりますので、特例制度や控除を適用する際は要件を満たすのか確認してください。(執筆者:平井 拓 / 12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動中。相続税・贈与税・所得税が専門。)