オリックス・中嶋聡監督 悲願成就へ熱い胸の内/指揮官が見据える2021
大逆襲の年にする。2020年シーズン途中から指揮を執り、21年から正式に中嶋聡監督がチームを率いる。11月12日に、大阪・舞洲の球団施設で就任会見を行った際には「正直、本当に荷が重い気がいっぱいだった。このチームをどうにか強くしたい。特効薬はないと思うので、基礎中の基礎から、根本的なものからやっていきたい」と所信表明していた。 20年は45勝68敗7分の借金23で2年連続の最下位に沈んだ。24年連続で優勝を逃したチームは「育成&勝利」を掲げて中長期政権のビジョンを描き、新指揮官の手腕に託している。 チームの建て直しは「そう簡単なことではない。打撃では勝負強さがほしい。ピッチャーは1球の重みを知ること。バッターをねじ伏せるとか、そういう部分もまだまだ足りてないと思いますので、どうやって底上げできるのか考えていきたい」と、確かな方向性を示している。 早速の有言実行だった。指揮官は大阪・舞洲の秋季練習だけでなく、みやざきフェニックス・リーグにも足を運んだ。二軍監督を務めた経験から、期待を寄せる佐野皓大や太田椋、大下誠一郎らに打撃指導を行えば、投手では榊原翼やドラフト1位左腕・宮城大弥にも熱視線を送った。 「1シーズン戦った疲れを取りながら、体を大きくすることももちろんですし、悔しい思いでこれからを過ごすのかが一番大切。技術の部分も必要ですし、心の部分も必要だと思う。自分たちで考える力が必要だと思う」 表情には出さないが、胸の内は熱いものがある。 チームには山本由伸、山岡泰輔、田嶋大樹ら若くて生きの良い投手陣がいる。打線は吉田正尚を主軸に据え、若手の躍動に期待する。「自分でチャンスをつかむしかない。横一線」。悲願のリーグ制覇へ、歩みを止めない。 写真=BBM
週刊ベースボール