【タイ】新車販売は25年に底打ち回復へ、EIC予測
タイのシンクタンク、SCBエコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)は7日、タイの新車販売が2025年末までに底を打ち、その後はゆっくりと回復に向かうとの予測を示した。一方、中期的には、28年までに新型コロナウイルス感染症流行前の19年水準まで回復することは難しいと見込む。 EICは25年の新車販売を24年見込み並みの55万台と予測した。26~28年は3.6%増加し、各57万台、59万台、61万台と見込む。23年の78万台を大きく下回る。新車販売の回復が遅れるのは、経済と消費者の行動様式の変化と指摘。◇金融機関のローン審査厳格化◇脆弱(ぜいじゃく)な消費者の購買力◇自動車の利用期間の長期化◇価格競争の激化に伴う消費者の様子見――を主な理由に挙げた。 またタイの自動車市場が直面する悪循環として、自動車の差し押さえ増を理由とした中古車の供給過剰による中古車価格の下落を懸念したローン審査の厳格化と、それに伴う新車販売の停滞長期化、それによる価格競争激化、車両の査定が困難になることを注視する必要があると指摘した。 25年のハイブリッド車(HV)と電気自動車(EV)の乗用車の新車販売台数は約21万台となる見通し。HVは中高価格帯とも人気が高まる一方、EVの新車販売に占める割合は今後、全体の10%程度にとどまると予測した。◇充電施設不足◇交換部品と小規模な保守・修理所不足◇価格競争による消費者の信頼感低下◇維持費用の高止まり――をネックに挙げた。