煮崩れしない【カボチャの甘煮】ポイントは下ごしらえが重要!?
煮込むほど皮と身が生き別れ状態になるのはもちろん、身がドロッと煮崩れるのも日常茶飯事。そんなメシマズでも美しくカボチャを煮上げるコツを、プロに教えてもらいました。 〈画像で解説〉カボチャの甘煮が「煮崩れしないポイント」を見る
「メシマズ」とは?
「作るメシがマズイ」の意。ネットの世界では「味が極端にマズイ」「見た目も味もひどい」など、激しいものを指すことが多いですが、この連載では「料理歴はそこそこあるのに味が微妙・たまに成功するけれど、だいたいおいしくない」といった意味で使用しています。
【登場人物】
教えてくれるのは…小田真規子さん 料理研究家 教わるのは…エディター オギ エディター オギ
煮崩れ防止はワタ取りから始まっていた!
小田先生 まず、カボチャの種とワタをスプーンでキレイに取り除きます。 オギ 先生のカボチャ、キレイすぎませんか? 表面がなめらかになるまで、何度も丁寧にワタを取るんですね。
小田先生 表面がデコボコだと引っかかりができて煮崩れしやすいので、ツルツルにしておくといいですよ。 オギ いつも、繊維みたいなピロピロが浮いているのはなんでかなと思っていましたが、ワタをちゃんと取り除いてなかったからだと気が付きました……。 小田先生 一つ学んだところで、カボチャの皮をところどころ落とします。ランダムでOKです。 オギ 思ったより、たくさん皮を落とすんですね。
小田先生 硬い皮を落とすことで火が通りやすくなるので、煮る時間が短くて済み、煮崩れ防止になるんです。盛り付けたときの見映えもよくなります。 オギ いつもカボチャを切るのが大変で、身の危険すら感じます(笑)。 小田先生 私もですよ。だから私は、身の厚いところではなく、薄いところから切り始めるようにしています。最初は小さな力で切り始めて手を慣らし、徐々に力を込めていったほうが切りやすくなるんです。
オギ なるほど! いつも果敢に、一番厚い真ん中から切り始めていました……。 小田先生 それで難なく切れるならいいんですけどね。火の入り方にバラツキが出ないよう、できる限り形は揃えましょう。厚い部分は、ある程度切ってから小さく切り分けると、形が揃いやすいです。薄い部分は気持ち大きめに切りましょう。
オギ 思っていたより大きめに切るんですね! 小田先生 肉じゃがもそうでしたが、芋類は大きく切って煮たほうが、失敗しにくいんです。火を早く通そうと小さく切ると火通りが早すぎ、身全体が一気に煮崩れすることに。その点、大きく切っておけば、煮崩れも部分的にしか起こらないので、見た目の美しさも損なわれにくいんです。 撮影/国井美奈子 監修/小田真規子 イラスト/大窪史乃 取材・文/伊藤彩子 Edited by 西村 美名子
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