2021夏の高校野球はこの激戦地域に注目 - 全国高校野球選手権地方大会 東日本編
2年ぶりの開催となる全国高校野球選手権大会。甲子園での本大会は8月9日から行われますが、その代表校を決める地方大会は6月26日開幕の南北海道大会からスタートし、7月からは全国各地で熱戦が繰り広げられます。 そんな地方大会の本格的な盛り上がりを前に、全国のアマチュア野球を幅広く取材するスポーツライターの西尾典文さんに注目の地区、高校、選手について語ってもらいました。今回は北海道、東北、関東、東海、北信越を対象とした東日本編です。(Yahoo!ニュース Voice) 2021夏の高校野球はプロ注目のドラフト候補が続々登場 - 全国高校野球選手権地方大会 西日本編
新型コロナウイルスの影響でホームランが少ない
7月に入り、夏の甲子園出場をかけた高校野球の地方大会が全国で本格的にスタートしてきましたが、今回は東日本の注目ポイントについて解説したいと思います。 春の選抜ではなかなかホームランが出ないことが話題となりましたが、新型コロナウィルスの影響で思うように練習試合を組むことが出来ず、実戦経験が少なくなってしまった影響が野手の特にバッティングに出ているように感じます。ドラフト候補という意味でも全国的に投手が多いというのが今年の傾向と言えるでしょう。
東日本の注目校。東海大相模、仙台育英、愛知の私学4強
まず大きな注目となるのが春の選抜高校野球で優勝を果たした東海大相模(神奈川)の戦いぶりです。 選抜後に行われた春の神奈川県大会では1点差ゲームが3試合あったものの、エースの石田隼都投手を温存して優勝。これで昨年夏の代替大会を含めて県内では6季連続での優勝となり、激戦区と言われる神奈川でも完全に一強となっています。 打線の破壊力がもうひとつというのは不安要素ですが、守備や走塁など細かいプレーのレベルが高く、この夏も全国制覇を狙えるだけのチーム力を備えていると思います。 他の地域で全国制覇を狙えるチームとして注目したいのが仙台育英(宮城)です。 選抜では準々決勝で敗れましたが、複数の力のある投手を揃え、戦力的な充実ぶりはかなり目を引くものがありました。2018年1月に須江航監督が就任してから宮城県内では一度も敗れておらず、レベルの高い東北全体の中でも頭一つ抜けた存在であることは間違いありません。 東北勢悲願の甲子園優勝に向けて、宮城大会でどんな戦いを見せてくれるかに注目です。 激戦が予想される地区としては愛知が挙げられます。 選抜ベスト4の中京大中京が中心となりますが、春の県大会はエースの畔柳亨丞投手を故障で欠いたこともあって準々決勝で敗退。それを尻目に決勝に進出した愛工大名電、享栄の2校は豊富な投手陣を揃え、トータルのチーム力では中京大中京を上回るように見えました。 また秋の県大会準優勝の東邦もバッテリーを中心に手堅い野球を見せており、侮れない存在です。長年愛知をリードしてきた“私学4強”と言われるこの4校の実力が高いレベルで均衡しており、例年以上の激戦となることが予想されます。 他では聖光学院が13年連続夏の甲子園出場中の福島、春の関東大会優勝校の専大松戸に中央学院、千葉学芸など新興勢力と木更津総合、習志野など甲子園常連校まで実力伯仲の千葉なども注目の地域となりそうです。