【ジャパンC】本命は成長力と軽斤量に期待してチェルヴィニア 穴馬はゴリアット、シンエンペラー
最有力の外国馬はゴリアット
今夏のKG6世&QESで1番人気のオーギュストロダンを破って優勝し、大波乱を起こした馬。KG6世&QESでは6番枠から五分のスタートを切ったが、コントロールしながら位置を下げて中団の外を追走。道中は前に壁を作って2角を過ぎる。 次の直線の上り坂では馬なりで上がって3角で中目を通って壁を置いたまま直線へ。ラスト2Fで外に誘導して追い出されると、しぶとく伸びて先頭に1馬身半差、ラスト1Fではそのまま突き抜けて2馬身1/4差で完勝した。 ここは前後半5F60秒30-62秒80のかなりのハイペース。アスコットの芝2390mはスタートから約800mで約22mも坂を下るため、どうしてもハイペースになる。序盤でハイペースに巻き込まれないように位置を下げていったにせよ、ラスト2Fで先頭に立って押し切った内容は評価できる。 また不良馬場の前走コンセイユドパリ賞では、前々走とは全く流れが違う、極端なスローペースを2列目の内を追走し、3角の下りで外に誘導。直線序盤ですっと先頭に立って半馬身差で押し切っており、幅広い展開に対応できることも好感触だ。 本馬は折り合いに課題があって出世が遅れていたが、その能力は確か。また前走はかなりのスローペースなので、消耗度が少ない点も好ましい。日本の馬場に対応できる保証はないが、1番枠と内枠に恵まれたここは、対抗に推す。
穴馬はシンエンペラー
今夏の愛チャンピオンSの3着馬。ここでは3番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く好位の外を追走。道中も外目を追走していたが、外からエコノミクスとオーギュストロダンに蓋をされ、包まれてしまう。 3~4角でも包まれて、直線序盤でも進路がない状態。ラスト1Fで進路を確保するといい脚で前に迫ったが、クビ+3/4差の3着だった。ここは前後半5F60秒83-62秒05のかなりのハイペースで、ラスト1Fでは前が甘さを見せているが、さすがにラスト1Fで仕掛けたのでは遅かった。 この愛チャンピオンSは好内容だったと見ている。本馬も折り合いに課題があって、ホープフルSや日本ダービーで善戦するものの勝ち切れなかった面はあるが、そこが解消された感のある内容だった。 前走の凱旋門賞は休養明け好走後の一戦で、馬場がタフになった影響もあり12着に大敗。凱旋門賞後の日本のレースで好走するのは厳しいという意見もあるが、それは凱旋門賞で好走した馬の話だ。敗退した馬は、タップダンスシチーなど数々の馬が一変している。かつてジャパンCで好走した外国馬も凱旋門賞敗退からの巻き返しがとても多い。シンエンペラーは現状ではやや能力が足りないが、3歳馬の成長力を見せることができれば通用していい。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)スターズオンアースの前々走指数「-25」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.5秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値 =(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ