【ジャパンC】本命は成長力と軽斤量に期待してチェルヴィニア 穴馬はゴリアット、シンエンペラー
内枠有利の舞台
過去10年で馬番1番が【3-3-1-3】、2番が【3-1-1-5】。馬番1~6番までで9勝している。中盤でもペースが落ちにくく走破タイムが速くなるので、外枠の馬は海外馬で最後にジャパンCを勝ったアルカセットのように、1角で内に入れないと勝ち負けするのは難しい。 【ジャパンカップ2024 推奨馬】能力&末脚はメンバートップ! 3つの複勝率100%データを持ち信頼度◎(SPAIA)
日本馬の能力値1~5位
【能力値1位 スターズオンアース】 昨年のジャパンCの3着馬。17番枠からまずまずのスタートを切って、しっかり先行。3番手のイクイノックスの直後をリバティアイランドと併走した。3~4角でペースが落ちない状況でリバティアイランドのひとつ外からイクイノックスを追いかけ、直線序盤で追われると伸びが地味。リバティアイランドにすぐに前に出られたが、徐々に差を詰めて同馬に1馬身差に迫った。 超高速馬場で前後半57秒6-60秒7のかなりのハイペース。外枠だったので終始リバティアイランドの外を追走する形になったが、枠が逆でキレあるリバティアイランドよりも先に動いていれば、逆転の可能性もあったと感じさせる内容だった。 続く有馬記念ではドウデュースから半馬身差の2着。同レースでは大外16番枠からトップスタートを決め、2番手を追走して結果を出した。大外16番枠は絶望的であることで有名な有馬記念で、抜群のスタートを切ってイン前の競馬。例年は中盤の1~2角でペースが落ちるが、昨年は緩まなかった。それでもスターズオンアースはしっかりペース落として息を入れ、平均ペースに対応できた。 上手く乗られてはいたが、ジャパンCで好走した後の有馬記念でも好走できるのは地力があればこそ。ただ有馬記念では気合が乗ってこない本馬に対して、鞍上が過剰なほど返し馬を行なっていたことから、無理をさせてしまったのでないか。もし、そうならこの後、不振になると見ていて、復帰戦の前走ドバイシーマクラシックでは見せ場のない8着に敗れた。 今回は長期休養明けの一戦。内枠有利のジャパンCで大外14番枠を引いてしまった。今回は逃げ馬不在の一戦だけに、有馬記念のように積極的に出していけば逃げる形になってしまうはず。逃げることを嫌う川田将雅騎手なら、それはやらないだろう。そうなると外々を回るロスを作りかねないが、状態さえ戻っていれば当然、巻き返す地力はある。 【能力値2位 ドウデュース】 昨年の有馬記念の覇者。有馬記念では5番枠から出遅れて後方からの追走。スタンド前でもペースが遅かったが、前のヒートオンビートを壁にして後方の外で折り合う。向正面で動いた前のヒートオンビートをコントロールしながら追いかけ、3角で同馬の外に誘導した。 3~4角で4頭分外から楽に押し上げて2列目の外から直線へ。直線序盤でスターズオンアースの外からしぶとく伸びて2馬身差まで追い詰めた。ラスト1Fで先に逃げたタイトルホルダーを競り落とし、食らいつくスターズオンアースに半馬身差をつけて勝利した。 この有馬記念は前半5F60秒4と速くはないが、タイトルホルダーが中盤で緩めなかったことで後半が速くならなかった。差し馬にも十分チャンスがある展開だったが、3~4角でロスを作りながらも最後までしぶとかったことは評価できる。 今春のドバイターフは4番枠から出遅れて中団まで挽回し、3~4角で窮屈になってブレーキを掛けながら進出。ラスト1Fまでは進路がなく、脚を余す形で5着。2走前の宝塚記念は4番枠からスタートを決めたことで外から被せられて後方列の中目を追走。3角までに位置を下げ切れず、直線まで馬場の悪化した内を通って6着と連敗した。 前走の天皇賞(秋)では、直近の2戦で不利が重なり、能力を出し切っていないことや相手が楽な点から、ベストな距離ではないが本命候補とした。7番枠からやや出遅れて挟まれかけ、後方2番手まで下げ、3角では外に誘導し直線勝負の形。ラスト1Fで前が甘くなったところを一気に差し切って1馬身1/4差で勝利している。 前走ではある程度の能力を出し切っているが、超高速馬場で前後半5F59秒9-57秒4とかなりのスローペースで前有利の展開になったことで、有馬記念時ほどの指数では走っていない。目標はあくまでも有馬記念だろうが、実質、日本馬ではNo.1の存在。ここも上位争いに加わる。 【能力値3位 ソールオリエンス】 クラシック三冠で活躍しながらも、古馬になってからの成長力を欠いていたが、2走前の宝塚記念では皐月賞馬の意地を見せて2着と健闘した。 宝塚記念は9番枠から五分のスタートを切り、促しながら無理なく中団外目からの追走。向正面ではペースが上がらなかったが、後方2番手まで下げ、3~4角の下り坂でペースが上がっていくなか、中目を通って外に誘導しながら直線へ。直線序盤で大外のブローザホーンの内から3列目まで上がり、ラスト1Fでは先に抜け出したブローザホーンが内にササって進路がやや狭くなる場面もあったが、立て直してベラジオオペラ、プラダリアとの2着争いをクビ差で制した。 重馬場で外差し有利の馬場。本馬はコーナリングが苦手なところがあり、向正面で位置を下げ切って3~4角のロスを小さくし、直線で馬場の良い外へと上手く乗られていた。皐月賞、宝塚記念と重馬場で連対しているが、宝塚記念では上がり3F34秒5でも対応していることから道悪巧者ではないだろう。また、菊花賞や有馬記念の敗戦から長距離よりも中距離でこそだろう。 現4歳世代のレベルが高いとは言わない。しかし、今秋の天皇賞(秋)でタスティエーラが2着に好走したように、イクイノックスが引退し、古馬の上位クラスが不振の今ならチャンスがある。 休養明けの前走、天皇賞(秋)ではレース上がり3F33秒5と極端に上がりが速く、前に有利な競馬となって能力を出し切れなかったが、ひと叩きされての前進が期待できる。 【能力値4位 チェルヴィニア】 長期休養明けの桜花賞では13着に敗れたが、オークスと秋華賞を連勝。秋華賞では5番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら中団中目を追走。道中ではセキトバイースト、そこから離れてクリスマスパレードと前2頭が後続を離していく展開。向正面でクイーンズウォークが上がってきたが、そこでも中団中目を維持した。 3~4角では3番手以下の鞍上の手が動いて前を追いかけたが、本馬はほぼ馬なりでその流れに乗って仕掛けを待つ。4角でようやく鞍上のC.ルメール騎手の手が動いたが、進路を作り切れずにワンテンポ待って直線へ。直線序盤で中目のスペースを拾って2列目まで上がり、ラスト1Fで先頭列をさばいて突き抜け、1馬身3/4差で完勝した。 超高速馬場で前後半5F57秒1-60秒0の激流。上がりが掛かって差し、追い込み馬に向く展開ではあったが、ラスト1Fで加速したことから、距離が延びてこそ良さを感じさせる。 桜花賞では出遅れて追走に忙しさを見せ、そこから大幅距離延長となったオークスで一変したことからも、今回くらいの距離がベストなのだろう。3歳馬の成長力と軽斤量54kgに期待して今回の本命馬とする。 【能力値5位 ダノンベルーガ】 2走前のドバイターフでは3着。10番枠から出遅れ、押して挽回して行く形に。道中は中団中目でコントロールして我慢させ、3~4角では包まれる格好になったが、直線序盤で狭い内のスペースを突くとラスト2Fは馬群をさばきながら中目に誘導。その間に外のファクトゥールシュヴァルとナミュールに抜け出された。ラスト1Fでその2頭に食らいついたが、3/4馬身差で敗れた。 前半5Fを58秒ほど(日本の計測法なら、あと1秒ほど速い)で通過するかなり速い流れ。3~4角のペースダウンで内の馬は包まれる形となり、そこで外から挽回した2頭がワンツーという結果。 本馬は一線級相手の中距離戦では最後に甘さを見せて勝ち切れない面もあったが、ここではラスト2F11秒2-11秒3ほどの流れを残り100mでも前2頭にしぶとく食らいついており、甘さを見せていない。昨年のドバイターフでも2着と好走しているが、今年は当時よりも前で進めており、しぶとさという意味では今年の内容の方が上だった。 そこから長期休養明けの前走、天皇賞(秋)では、戦前の段階から堀宣行調教師が「仕上がりが遅れている」とコメントしていた。実際に10番枠から五分のスタートを切ったが、外にヨレて接触し、2角でもつまずくなど、リズムの悪い競馬で14着に敗れた。 この中間も美浦ウッドで必死に追われてもピッチは上がってこなかったが、陣営は「フルカップのヴァイザー(ブリンカーの一種)を着用したが、逆効果だった」と述べており、今回はブリンカーを外すようだ。近2走のように前半でポジションを取りにいく競馬でなければ巻き返しがあって不思議ない。