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ティッシュ市場で「箱からソフトパック」へのシフトが起きている理由

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ダイヤモンド・オンライン

 コロナ禍でいつもの箱ティッシュが売り切れ、箱無しタイプのソフトパックティッシュを初めて手にした人もいるのではないだろうか。スーパーやドラッグストア、通販サイトはプライベートブランド(PB)のティッシュにソフトパックを導入し、大手製紙メーカーも今年から製造販売に乗り出している。海外と一線を画してきた日本の箱ティッシュ文化に変化が起き始めている。(清談社 松嶋千春) ● 日本は箱ティッシュ、 海外はソフトパックが主流  国内ソフトパックティッシュ市場のシェアNo.1メーカーとして「ハロー」ブランドを展開しているユニバーサル・ペーパー(本社:東京都品川区 東五反田/代表取締役:タン・ウイ・シアン) のマーケティングを務める鎌矢由香氏は、日本と海外のティッシュ文化の違いについてこう語る。  「あらゆるビジネスに共通して言えることですが、いちばん最初に出たものがそのカテゴリーのスタンダードになっていく傾向にあります。日本の場合は、初めて登場したティッシュがボックスタイプだったため、『ティッシュといえばボックス』という世間の認識と、一般流通のカテゴリーが成立していきました。ところが、海外のティッシュはソフトパックからスタートしており、主流になっているものが全く違います」(鎌矢氏、以下同)

 ユニバーサル・ペーパーの母体はインドネシアに本社を置く業務用紙業メーカーAPP(アジアパルプアンドペーパー シナール・マスグループ)で、創業当初からソフトパックティッシュ製造を手掛けてきたという。家庭紙の会社として立ち上がった同社は、2007年に日本参入を果たすと同時に、ソフトパックティッシュの輸入販売を開始した。  「当時、日本国内にはソフトパックの製造が可能な工場やラインはごくわずかでした。生活者への便益を訴求しかつ世界中でソフトパックが主流になっているということを加味し、海外に生産拠点と輸送のノウハウを持つわれわれが、いち早くソフトパックのパイオニアとして立ち上げたという経緯です」 ● 大手メーカーの参入で ソフトパック市場が大幅に成長  ユニバーサル・ペーパーは日本への参入以来、シェアNo.1を誇ってきたが、ティッシュペーパー市場全体としてみると長い間苦戦を強いられてきた。というのも、ソフトパックは卸売会社や総合商社の輸入販売が主流で、市場としてなかなか大きくならなかったというのが実情だった。データ上、市場規模が顕著に伸びてきたのは、ごく最近のことなのだという。  「19年のソフトパック市場は、18年比150%に伸長しました。19年クレシアの『肌うるる』が発売され、エリエールの『イーナ』というブランドが登場。さらに『エリエールプラスウォーター』が発売されました。直近1~2年の間に大手競合メーカーのブランド新規参入してきたことが、ソフトパック市場を醸成させる1つのきっかけになったと思われます」  直近の数字を見ると、ティッシュ市場全体に占めるソフトパック自体のシェアは、19年1月時点で6.5%、20年1月時点で約10%、同年5月で12.7%と、堅調に伸びている。ティッシュ全体の市場規模が過去5~10年横ばいの中でのこの実績は、ボックスティッシュからソフトパックへの消費シフトが起こっていると言っても過言ではないと鎌矢氏は分析する。  「弊社で消費者への調査を行ったところ、ティッシュを選ぶ際に重視するポイントとして『収納やゴミ捨て、持ち運びのしやすさ』といった回答が多く見られました。同じ150枚入りでも、ソフトパックはボックスタイプに比べるとサイズが半分ぐらいなので収納に困らないし、バッグに忍ばせてもかさばりません。包みを捨てる際も、箱をたたむ手間が省けて便利です。ソフトパックはいわば、ポケットティッシュ以上ボックス未満の存在と言えます」  同様の調査において、「ソフトパックティッシュをどこで使っていますか」という質問に対し、「車の中」「持ち運び用」「屋外」という回答が圧倒的に多く、ソフトパックユーザーの年齢層は比較的外出の機会が多く外出時にティッシュを使用する頻度が高い20~40代が中心だという。  「若い方になればなるほど利便性を求めるため、ソフトパックは非常に受けがいいようです。実際にソフトパックを購入された方の約80%が次回もソフトパックを購入したいという回答があり、その方たちが今後も使っていくことを考えると、さらにソフトパックの市場は大きくなっていくのではないかと予測しています」

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