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元慰安婦の叫び「韓国政府は切腹せよ」〈支援団体との「内ゲバ」の行方は……〉/柳錫――文藝春秋特選記事【全文公開】

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文春オンライン
元慰安婦の叫び「韓国政府は切腹せよ」〈支援団体との「内ゲバ」の行方は……〉/柳錫――文藝春秋特選記事【全文公開】

6月24日、慰安婦像前のデモ

 発端は、元慰安婦の告発だった。 「募金が元慰安婦たちに使われず、お金の行方もわからない。私は30年来、騙されてきた」  5月7日、元慰安婦の李容洙(イヨンス)(91)が会見を開き、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の尹美香(ユンミヒヤン)前理事長を、「元慰安婦を利用して私腹を肥やした」と告発したのだ。  正義連は韓国最大の元慰安婦支援団体として知られる。だが、その活動実態は、元慰安婦の支援よりも「反日運動」のほうが目立つ「運動体」である。ソウル市中心部の日本大使館前に無許可で慰安婦像を設置するなど、正義連は事あるごとに日韓関係に水を差してきた。だが、韓国内では強い影響力を持ち、尹は4月の総選挙で、与党「共に民主党」の比例政党から出馬し、当選。正式に国会議員に登録される直前、李の告発がなされたのである。 「尹美香の正義連は解体せよ!」  李の告発から1カ月半後の6月24日、水曜日。旧日本大使館前でシュプレヒコールが上がった。  正義連は1992年から28年間にわたり慰安婦像の目の前で、抗議デモ「水曜集会」を開いてきた。前身の「挺身隊問題対策協議会」(挺対協)時代から数えて、この日で1445回目だ。  ところがこの日、慰安婦像の前に陣取っていたのは、別の反日団体「反安倍反日青年学生共同行動」だった。小雨が降りしきる中、雨合羽にマスク姿の大学生ら20人余りが慰安婦像を取り囲むように座り込んだ。〈親日極右勢力の清算〉と書かれたプラカードを握りながら、一言も発さない「沈黙デモ」を敢行している。周囲には警備のために無数の警察官が立ち並んでおり、あたりは物々しい雰囲気に包まれていた。  李容洙の告発会見以降、保守系団体「自由連帯」は正義連に水曜集会をさせないために、慰安婦像前でデモを行う許可を警察に申請していた。ところが、これに反発した「反安倍反日青年学生共同行動」が、警察への事前申告無しに徹夜で慰安婦像の前を「不法占拠」したのだ。結果、自由連帯と正義連は慰安婦像から離れた場所でのデモを余儀なくされ、旧日本大使館前で三つの団体が睨みあうこととなったのだ。 「沈黙デモ」の隣で集会を行う自由連帯代表の李羲範(イヒボム)に話を聞いた。 「尹氏はこの場所を、詐欺を働くために使用してきた。だからいま、罰を受けているのです」  慰安婦像から10メートルほど離れた場所で開かれた正義連の水曜集会では、〈尹美香議員 正義連 愛しています〉と書かれたプラカードも掲げられる中、尹美香の後任である李娜栄(イナヨン)理事長が演壇に上った。 「李容洙人権運動家をはじめとする(元慰安婦の)生存者17人の方々の健康と安寧を祈ります。混乱の時間を耐え抜き、再び私たちのそばに堂々と立つことを心から願います」  この日は80人ほどの参加者が集まったが、李が会見で「水曜集会をなくさなければならない」と訴えたこともあり、普段は駆けつけているはずの元慰安婦はひとりもおらず、熱気はほとんど感じられなかった。

本文:7,450文字

写真:3
  • 尹氏を告発した李容洙
  • 無実を主張する尹美香

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柳 錫/文藝春秋 2020年8月号

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