福島第一原発1号機 ロボでの内部調査中止
メルトダウンした福島第一原発1号機で東京電力は、12日からロボットを使った格納容器の内部調査を予定していましたが、機器のトラブルにより調査が中止となっています。この問題で、東電は13日、会見しロボット自体の故障ではないとの見方を示しましたが、調査再開のメドは立っていません。 2011年3月の福島第一原発事故では、原子炉1号機・2号機・3号機がメルトダウンし冷え固まった「燃料デブリ」がそれぞれの格納容器の底にたまっているとみられています。 このうち1号機については、水がたまった格納容器底部の燃料デブリの上に厚さ1メートルほどの堆積物があるとみられていて、調査が困難なことから内部の調査が最も遅れています。東電はこの1号機について12日から水中ロボットを使って内部調査の準備作業を行う予定でした。 しかし、水中ロボットを格納容器に投入する前にロボットに内蔵されている線量計のデータが正確に表示されなかったり、取り付けてあった6台のカメラのうち1台のモニター画面で時刻表示が止まってしまうなどのトラブルが起きたということです。このため東電では12日に予定されていた作業を中止しました。 これについて東電は13日、会見を開き異常は「ケーブルドラム」と呼ばれる水中ロボットにつながるケーブルを巻き取ったり送り出したりする装置に電源を入れたタイミングで発生した事を明らかにし、不具合は水中ロボット自体のものではなく、ケーブルドラムで生じているとの見方を示しました。 先月、現地で行った動作確認では水中ロボットとケーブルドラムの電源を同時に入れてテストをしたものの線量計には電源を入れておらず、また、先週行った確認では各装置に同時に電源を入れた動作確認は行っていなかったということですが、東電はこれら事前の動作確認の仕方に問題はなく、また、ロボットを製造した工場での動作確認でもトラブルはなかったとしています。 東電ではトラブルの詳しい原因を調べていますが、1号機内部調査再開の見通しは立っていないということです。