UFOにクジラに城――日本特有の「ラブホテル」捉えたシュールな写真たち
日本へのレンズ
ラブホテルは韓国やタイを含むアジアの国でも比較的よく見られる一方、世界の他の地域では短期滞在ホテルやモーテルが同様の社会的機能を担っている。業界内ではラブホテルという言葉の負のニュアンスを避けるために「レジャー」ホテルや「ファッション」ホテルへのイメージチェンジを図る動きも一部であるが、この言葉は日本と結びつけて語られることが最も多い。 プロスト氏の見方では、ラブホテル(や自身の写真)は日本社会の保守的な傾向と、人々のセックスに対する態度との間に潜むコントラストを浮き彫りにしている。プロスト氏はこうした変わった設計を一種の現代バナキュラー建築、名所の建物よりも「雄弁に日本について語る」身近な建築と位置づける。 クラウドファンディングサービス「キックスターター」で新たに始めたキャンペーンの助けを借りて、プロスト氏は来年、写真集を出版したい考えだ。この手法は過去にも成功を収めた。米国各地の9600キロ以上を旅してカラフルなストリップ建築を撮影したプロスト氏の最新刊「ジェントルマンズ・クラブ(原題)」は、クラウドファンディングを利用して2021年に出版された。 プロスト氏はフランスやスペイン、コートジボワールでナイトクラブのファサードも記録した。こうしたプロジェクトには悪徳や社会の夜の顔を掘り下げることにとどまらない、一つの共通点がある。個々の施設だけでなく、施設が営業する国や文化をテーマにしている点だ。 「こうしたプロジェクトはどちらかというと、風景写真のようなもの」「これらの場所を通じて国を映し出している」(プロスト氏) ◇ 原文タイトル:UFOs, boats and castles: Surreal photos of Japan’s most peculiar ‘love hotels’(抄訳)