【かぼちゃ】「わたがヌルヌル」「断面が白く粉っぽい…かび?」食べても大丈夫?管理栄養士が回答
ビタミンACEをはじめとする栄養価が高く、年中出回っている便利食材のかぼちゃ。丸ごとなら長期間の保存もできますが、カットすると意外と傷みやすいため、こんな状態でも食べて大丈夫?と気になることも多いかもしれません。明らかにカビがはえていたり異臭がしていたりしていないけど、なんかおかしい?そんな疑問を解決しましょう。 〈写真で見る〉一部が茶色に変色した玉ねぎは食べても大丈夫? ■カットしておいたかぼちゃの断面が白く粉っぽくなっている これってカビ? カットしたかぼちゃを保存して取り出してみると、断面が白く粉っぽい。カビ?と思うこともありますよね。 実際にカビがはえてしまうこともありますが、多くの場合はカビではなく、表面が乾燥したことにより、かぼちゃのでんぷん質が白く粉末状になったものです。気になる場合は洗い流せばよいですが、食べても問題ありません。 白カビの場合は、よく観察すると綿状になっており、断面だけでなく、種やワタの付近に繁殖することが多くなっています。異臭や変色、ベタベタ・ブヨブヨと触感が変化している、ぬめりが出ている、など、明らかな変化が少しでも見られたら食べられなくなっていると考えてよいでしょう。 ■ワタがヌルヌルしている 取り除けば大丈夫? 買ったばかりのかぼちゃでも、ワタや種の部分がぬるっとしてることがあります。カビがはえて変色していたり異臭がしたりしていないかを確認して、特に問題がない場合、これは腐ったり傷んだりしているのではなく、熟していることが多いです。ワタの部分がヌルヌルとしていて果肉との境目がないときは、ワタはつけたまま一緒に調理することもおすすめです。ワタの部分に含まれているβ-カロテンは、果肉の2~3倍もの量ともいわれているため、栄養価も倍増。甘みも強い部分なので、ぜひ活用しましょう。 ■かぼちゃの果肉に白い塊。これは食べられる? かぼちゃの果肉部分や皮との境目に白い塊ができていることがあります。食べてみると肉質も硬く、苦味も。食べてしまったけど大丈夫なのでしょうか? これは、かぼちゃの生育期間中に、降雨や気温などの自然現象や、施肥のタイミングなどを要因とするなんらかの障害があった場合に起こる内部不良です。この白いものの正体は、「クリスタル」と呼ばれる白いでんぷん質が結晶化したもの。かぼちゃの内部で栄養素の運搬経路が途中で詰まり、栄養素の吸収が片寄った場合に見られるといいます。結晶部分はカットしてからでないと判別できないため、店頭に並んでいるときには見分けがつかないことも多々あります。その部分だけ取り除いて調理すれば問題ありませんし、万が一食べてしまってもでんぷん質の結晶のため害はありません。 カットしたかぼちゃは、主にワタや種の部分からいたみやすいといわれています。ワタの部分も活用する場合は、購入してすぐが安心です。数日保存するときには、ワタと種は取り除いておきましょう。 参照: ・コープえひめ「カボチャを切ったところ、種の部分と果肉の間の所に白い物がありました。気味が悪いのですが、これは何なのでしょうか?」 ・「食材事典」(学研) ・「やさい」(幻冬舎) ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)