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納豆はかき混ぜてから醤油、小籠包は丸ごと舌の上に……『美味しんぼ』が広めた料理の食べ方5選

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リアルサウンド

 雁屋哲原作、花咲アキラ作画の料理漫画『美味しんぼ』。食をとことん掘り下げた内容に魅せられたファンが多く、現在も高い人気がある。 美味しんぼメニューでも人気の高い「シャブスキー」が登場した『美味しんぼ(5)』  とくに料理の描写では、主人公の山岡士郎やその父で「美食家」を名乗る海原雄山が、少々マニアックと思える食べ方を紹介し、その後広く認知されていくことも多い。  そこで今回は美味しんぼが紹介し、世間に広がっていった食べ方を紹介しよう。 ■納豆  日本人の多くが愛する納豆。醤油を入れてからかき混ぜる方も少なくないが、『美味しんぼ』では「それでは粘りが出ない」と否定する。  そして正しい食べ方として、「何も入れずによくかき混ぜて、その後白い糸が増えて納豆全体が固くなったのちに醤油を入れ、またかき混ぜる作業を繰り返す」ことが、「納豆を美味しく食べる方法だ」と紹介した。  この食べ方は古くから日本に伝わるものだが、『美味しんぼ』の影響で真似する人が増え、現在は広く認識されている。(『美味しんぼ』91巻より) ■小籠包  小籠包でも「美味しんぼ流」のこだわりが炸裂している。善意でご馳走してもらった小籠包を「これはクズ」と吐き捨てた山岡が、後日、自身のお気に入りの店を紹介する定番の展開。  「本物の小籠包」を食べた山岡は「丸ごと口に入れるのが一番美味しい食べ方です」「とがった部分が舌の上に来るように逆さに口に入れて噛む。噛んだら中の熱いスープがあふれ出るから、口から息を吸い込んで、フウフウホロホロ口の中で転がしながら食べる」と説いた。  この食べ方は賛否両論で、真似する人も多いが「熱くて食べることができない」「やけどをする」という批判もある。(『美味しんぼ』12巻より) ■すきやき  都内の料理屋ですき焼きを食べることになった海原は、「すき焼きは牛肉を最もまずく食べる食べ方」「牛肉の調理法としては基本的に間違っている。これでは死んだ牛も浮かばれない」と厳しく批評する。「それならば」と、店に招いた人物がしゃぶしゃぶを食べるよう勧めるが、ここでも「牛肉をまずく食べる食べ方」とバッサリ。  この話を聞いた山岡も海原と敵対関係でありながら、「すき焼きもしゃぶしゃぶも日本人が肉食文化を物にしていないときの料理」「すき焼きは甘ったるくくどい味付けで肉の風味を殺し、しゃぶしゃぶはうま味を湯の中に捨てている」と手厳しい。  山岡はこの後、銀座の料亭「岡星」の主人岡星精一を通じて、北大路魯山人が作った「魯山人式すき焼き」をアレンジした「シャブスキー」を考案し海原に提供。すき焼きとしゃぶしゃぶに否定的だった海原も「肉の食べ方を知り尽くしていなければ、考えられぬ調理法だ」と大絶賛した。  この「すき焼き・しゃぶしゃぶ全否定」自体も賛否両論だが、新たな食べ方とされるシャブスキーを真似して作る人は多い。(『美味しんぼ』5巻より) ■ラーメンライス  ラーメンライスが大好きと語る男性は「ラーメンの汁、その後麺の順番ですすり、そのままの状態でさらにご飯を口に入れ、麺と飯を一緒に咀嚼する」のが、最大の醍醐味なのだと豪語する。  さらに「ラーメンに乗った海苔をすくい取りご飯に巻いて口に入れ同時に麺をすする」「メンマをおかずにご飯を食べ、歯ざわりを楽しんだところで麺をすすり、汁で流し込む 」という食べ方も紹介した。  この食べ方はラーメンマニアの間で好評価を得たようで、「実際にやってみたけど、美味しい」「理に適った食べ方」などの声がネット上で上がっている。(『美味しんぼ』29巻より) ■新そば  「美食倶楽部」で働く料理人、岡星良三が海原の昼食に、長野から届いた新そばを用意したときのこと。小皿に薬味としてネギとワサビが載せられている様子を見た海原はおもむろに皿を岡星に投げつける。  訳が分からず呆然とする岡星に「元来、そばを食べるのに薬味など不要。新そばならなおのこと。清新、軽妙にして風雅な味わいがワサビとネギの香りと味で壊されてしまう」「風味もすっかり落ちた古いそばならまだしも、せっかくの新そばにこの薬味をつける愚鈍さは許せぬ」と指摘されてしまった。  「新そばは薬味をつけずに楽しむ」という食べ方と小皿を人に投げつける行為は賛否両論だが、1つの方法論として、広く認知されている。(『美味しんぼ』32巻より) ■日本の食文化への影響  取り上げてきた食べ方は『美味しんぼ』が紹介し、賛否両論がありながらも受け入れられたものだ。他にも、『美味しんぼ』は数多くの「食の新常識」を提案、今なお日常の食卓でその影響を垣間見ることができる。実際、『美味しんぼ』を読んで料理の食べ方を変えたというファンは多いはずだ。この作品が日本の食文化に与えた影響は決して少なくないだろう。

佐藤俊治

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