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オンライン診療が日本医療にとって「諸刃の剣」といえる理由

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ダイヤモンド・オンライン

 コロナ禍により、暫定的措置として初診でのオンライン診療が可能になり、各医療機関でオンライン診療が実施されるケースが増えてきた。実際に受診する人も増えており、今後普及する可能性も高い。その半面、オンライン診療の進展は世界の流れだが、ややガラパゴス化している日本医療には、オンライン診療が「諸刃(もろは)の剣」になり得る可能性が高い。その理由について、医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで医療経営を教える筆者が解説する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹) 【この記事の画像を見る】 ● オンライン診療は 「諸刃の剣」になり得る  日本においてオンライン診療の話題が、にわかに取り上げられるようになってきた。これは、「ウィズコロナ」の社会あるいは「ポストコロナ」の社会を見据えて、国全体のあり方がリアルな接点だけでなくバーチャル、つまりオンラインでの接点を求める社会に変わっていくという流れがあるからであろう。  ただ、筆者はオンライン診療が進むことは間違いないが、日本の医療にとって諸刃の剣だと考えている。ちなみに筆者は医療界において改革を進めていくべきであるという立場にあって、前回(「コロナ終息後、オンラインの診療・健康相談で日本の医療の景色が変わる」)もオンライン診療やオンライン健康相談について書かせていただいた。

 これは日本の医療制度の歴史や特徴による。  そこで、日本の話をする前に隣国の中国で、オンライン診療がどのような状況になっているかを最初に見てみよう。 ● 中国の医療で 不公平・不便をなくす「切り札」  中国は人が多い。それに比べ病院や医師の数が圧倒的に少ないために、大昔の日本のように病院には患者が写真のように押し寄せている。こういった状況を解決するために中国政府の肝いりで進められているのがヘルテックである。  ヘルテックとは医療と情報技術の結びつけのことである。中国では、そのヘルテックが医療の不平等さや不便さをなくす切り札として考えられている。  代表的な企業ではアリババの子会社であるアリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー、あるいは中国最大の保険会社である中国平安保険の子会社であるピンアン・ヘルスケア・アンド・テクノロジーがまさにこの部分を担っており、登録者はそれぞれ2018年には1億3000万人、2億6500万人であったという。  こういったサービスを使うことにより、生活者はオンラインでの医療相談・診療・処方・支払いといったすべてのサービスを受けることができ、必要に応じて病院を受診するというスタイルになる。  そして、過度な待ち時間、時々言われていた“順番待ちを回避するための余分なお金”が必要なくなったりしている。  診察に困難が伴うのが中国の医療の特徴であり、「アクセスを良くすること」が最重要課題であったわけである。

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