「ひとりあそび」~みんなで遊ぶようになるまで。遊びやけんかで変化する子どものこころ
【発達心理学からみた赤ちゃんの成長】子どものこころの発達はさまざまな事柄が関係しあい、枝葉のように広がって進んでいくものです。たくさんの枝葉を支える太い幹と根っこが育つには、長い時間が必要です。子どもも親も試行錯誤して、失敗と修復を繰り返しながら、育っていきます。保護者や保育者向けに、就学前までの子どもの発達や対応の具体例をわかりやすく解説した『子どものこころの発達がよくわかる本』から一部を抜粋してお届けします。 【続き】親が子どもに教えてあげられる“感情のコントロール方法”とは
友だちとのあそびも人とのかかわりを学ぶ場
一般に、2歳くらいまでは興味の向くままに、いろいろなモノを手にとったり、からだを動かしたりしてあそびます。3歳ごろには「平行あそび」が見られ、近くの子と同じようなあそびをします。やりとりはなくても、ほかの子のまねをして、同じことをするのが楽しい時期です。 積極的にほかの子と一緒にあそぶようになるのは、3歳以降です。「連合あそび」や「協同あそび」など、ほかの子とイメージや目的を共有して、コミュニケーションをとったり、ルールにしたがったあそびをしたりすることを楽しむようになります。 ■ひとりであそぶ ・~2歳ごろ 興味のあるモノや人と向きあってあそぶ 興味の向くままに、いろいろなモノを触ったり、周囲の人を見回したりするなど、からだを動かしてあそんでいる。基本的には、自分のしたいあそびをひとりでじっくり楽しむ ・3歳ごろ 周りを観察しつつ、ひとりであそぶ ほかの子のあそびを観察したり、声をかけたりする(傍観的行動)。まだ自分から一緒にあそびに加わろうとはしない
あそびのなかで自信もすくすく育つ
あそびのなかで友だちと「楽しい気持ち」や「達成感」を共有することで、子どもは友だちとのつながりを深めたり、自信をもつようになっていきます。 コミュニケーションをとりながら、他者とのかかわり方や社会のルールなども学んでいきます。 ■みんなとあそぶ ・3歳ごろ まねをしたりして、近くであそぶ 近くにいる子と同じようなあそびをしたり、まねをしたりする(平行あそび)。ただし、まだ協力してあそぶことは少ない ・3~4歳ごろ 話したりしながら一緒にあそぶ ほかの子とおしゃべりをしてコミュニケーションをとりながらあそぶ(連合あそび)。イメージを共有してあそぶことがはじまるものの、あそびのなかの役割分担はない ・~5歳ごろ 協力しあいながらルールに沿ってあそぶ ほかの子とコミュニケーションをとり、ルールや目標を共有してあそぶ(協同あそび)。グループ内で役割分担が発生する