15歳の誕生祝いにクマと遭遇 危機に面したメキシコの母子
モンテレイ、メキシコ、9月27日 (AP) ― メキシコ北部モンテレイの公園で、息子の15歳の誕生日祝いに用意した、タコスやエンチラーダをピクニックテーブルに広げたところに、どこからともなく突然クマが出現し、母子の目の前で料理を食べ始めた。 母親のシルビア・マシアスさんはその間、ダウン症の息子サンチアゴ君の目を手で覆って、しっかり抱きしめていた。 その場にいたシルビアさんの友人、アンジェラ・チャパさんが撮影したビデオには、テーブルの上に広げられたメキシコ料理を片っ端から食べ漁るクマと、その目の前でじっと動かずに息子の目を手で覆って、クマから目を逸らすシルビアさんの様子が捉えられていた。 シルビアさんによると、サンチャゴ君はイヌやネコといった動物を怖がるので、クマを見て逃げ出さないように、「手で目を覆っていました」と当時を振り返って語った。 シルビアさんとアンジェラさんは以前から、クマに遭遇する可能性について話していおり、クマが現れた場合、どうすればよいか知っていたという。2人はその通りになってビックリしたが、慌てなかったという。 ビデオを撮影したアンジェラさんは、サンチャゴ君に「銅像になる遊びをしよう」と提案。サンチャゴ君は言われた通り、母親の腕の中でピクリとも動かなかったと話してくれた。 機転が利くアンジェラさんは、クマがエンチラーダを食べていないことに気付き、エンチラーダをクマに見せて、遠くに放り投げた。 予想通り、エンチラーダを追ってテーブルから離れたクマ前にアンジェラさんが立ちはだかり、そのすきに母子はゆっくり後退し、やがてクマも去っていったという。 生まれて初めてクマに遭遇した感想を聞かれたサンチャゴ君は、「チョー怖かった」たひと言。 (日本語翻訳・編集 アフロ)