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「テラハ」木村花さんの自殺から誹謗中傷への“法的措置宣言”が増加【2020年上半期ネット炎上事件簿】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【2020年上半期ネット炎上事件簿】#2  コロナ自粛にともない、休業や雇い止めなどで収入が減った女性が、短期間ながら「風俗堕ち」してくる。そのなかには、普段なら風俗にはいない美人が含まれるだろうから、プレーできるのが楽しみだ。深夜ラジオでこのように話した岡村隆史が大炎上した。  コロナ自粛に便乗した貧困を食い物にする姿勢である、女性を蔑む態度だと指弾されたのだ。  言いたいことを言いたいように言う、またそうした本音に触れられるのが、そもそもの深夜ラジオやSNSの魅力だった。しかし、リスナーやユーザーが増えれば、おのずとさまざまな価値観にさらされることとなる。内輪だけのサロン、身近な者しかいないタコツボだと油断していると、思わぬ反撃に遭ってしまう。  ラジオもネットも、当たり前だが、元から広く社会に間口を開けている。それを、見知ったメンバーだけの安全地帯だと思い込んだまま投稿したり、トークを繰り広げてしまいトラブルとなり炎上するのだ。  匿名だから、深夜ラジオだからが理由なのではなく、ネットやラジオが「言論解放区」だという誤解に、いまだにとらわれていることが炎上の真の背景なのではないか。もちろん、匿名性への妄信もあるだろうが、それだけでは説明がつかないことが多すぎる。

誹謗中傷の放置は「相手の悪意に加担すること」

 思い込みや誤解に基づいているという意味では、炎上している者も炎上させている側も、同じ穴のムジナだ。昨今、炎上させている相手に対し、法的措置を取ると宣言するケースが増えている。実際に、目に余る誹謗中傷をしたネットユーザーを特定した例も出てきたほか、炎上させた側が自ら名乗り出て、慌てて謝罪する場面もあった。  アメリカでコメディアン、モデルとして活動する藤井美穂(年齢非公表)は、女子プロレスラーだった木村花さんの自殺を受け、5月にSNSで誹謗中傷に対して法的措置を取ると表明。すると、複数から謝罪の連絡が同じSNSを通じて来たと自身のコラムで明らかにした。  ぽっちゃり体形の「プラスサイズモデル」として活動する藤井のもとには、それまでに「しね」「ぶす」「イライラする」といったコメントが、投稿するたび毎日のように来ていたという。その後のインタビューでは、容貌や体形に対する誹謗中傷のコメントは1日に30回にも及ぶこともあり、なかには投稿するたびに毎回ネガティブに反応してくるものまであったと告白している。  当初、誹謗中傷をしてくるアカウントをブロックするなどして対処していたが、放置は「相手の悪意に加担すること」になり、「さらなる悪意を呼び込む」と考え直し、法的措置を取ると宣言することにした。(つづく) (井上トシユキ/ITジャーナリスト)

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