「南海トラフ巨大地震」「雲仙断層群」「布田川・日奈久断層帯」での津波到達予想時間を初めて公表 熊本
熊本県は大地震の発生時に、津波が沿岸地域に到達する予想時間を初めて公表しました。 12月11日に発表されたのは、熊本県沿岸地域における津波の到達予想時間です。 【写真を見る】各パターンの「津波到達予想時間」と「津波水位」の調査結果 ※提供:熊本県 調査では、雲仙断層群と、布田川・日奈久断層帯、南海トラフ巨大地震の三つの地震で六つのパターンを想定。津波の高さが20センチを超える「影響開始時間」と、波の高さが最大となる「最大津波到達時間」を公表しました。 県によりますと、布田川・日奈久断層でマグニチュード7.9の地震が発生した場合、天草市の西側の沿岸では地震発生から2分で最大40センチの津波が到達。南海トラフ巨大地震の場合、地震発生から5時間40分後に天草市の八代海側で1メートル64センチの津波が到達するということです。 こうした結果について県は、「あくまで国の手引きなどに基づいたシミュレーション結果で、実際の津波の高さや時間は異なる可能性がある」として、「今回の結果よりも早く浸水が始まる可能性もあるため、気象庁から津波の情報が発表された場合は、一刻も早く避難を始めて」と呼びかけています。 県はこれまで津波の到達予想時間の公表について「震源や規模によって到達時間が変わるため、予想時間の公表は避難の遅れにつながる恐れがある」として示していませんでした。 しかし、木村敬知事が今年4月に知事に就任した後、民間業者に委託して調査を始める意向を示し、今年9月の県議会でも「津波到達時間の公表は県民の避難判断基準に有益で、市町村の津波避難の対策強化に有効だ」と方針を転換。委託された民間業者が9月から調査していました。 今後、県はこのモデルケースを参考にして各自治体と連携し、津波が起きた際の避難のあり方を考えていくとしています。 県は今回の到達予想時間について、県のホームページでも公表しています。 市町別の津波の最大水位と津波が到達する最速時間は次の通りです。 ■6パターン中での「津波の最大水位」と「最速到達時間」 ◆市町(最大津波水位)最速到達時間 ※最大津波水位は満潮時に津波が来た時の高さ